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鳶尾山から八菅山を歩く(2/2) 

2014年03月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:自然探訪

 谷には清流が流れていたが、地図では水源地がゴルフコースの直下に当たる。純粋な清流かは疑問だ。30mほど車道を上ると広場と建物が見えた。直ぐ脇でガサッと大きい音がした。何事かと音の方向を見ると、2頭の猿が木の枝を渡り歩いている。直ぐカメラを向けたが、手前の木の枝にフォーカスが取られてしまっていた。駐車場にには4,5台の車があった。右側には広場がありプラスチック製のテーブルとベンチが数多く設置されていたが、広場の中に人の姿は無く、代わりに広場の周囲に居たのは10頭以上の猿の群れだった。道路側から猿を見ている人は居たが…。
 11時36分、昼食を摂るのに良い時間だった。公園の管理棟かと思えた建物は半分が休憩所、もう半分がトイレだった。人が常駐しては居ないようだった。交差点のところに開場時間とか書かれていたが、里から車なら10分足らずでもあり、建物内の休憩室は写真展示があっただけなので、青空博物館と称しても館員が居るわけではなさそうだった。写真展示の休憩室の扉には「猿が入るので扉はしっかり閉めてください」と掲示があった。猿の方が常駐なのかな…。野猿の写真を撮り直してから食事にすることにした。母猿と子供なのか、小さい猿の毛繕いをしている猿も見られ、木の枝を伝わり歩き、細い枝にぶら下がってブランコをして遊んでいる猿も見られた。猿の居る広場のプラスチック製のベンチに腰掛けてみたが、余りに椅子が低い。子供向けサイズの様だった。
 休憩所の入口部分は東屋風に作られていてベンチがあったので、日の当たるところで昼食にした。食事を始めて間もなく、5人の50代くらいの女性のパーティーがやって来て、向かい側でやはり食事にしていた。始めは猿の話をあれこれ。そのうち、メンバーの一人が煮豆などおかずをサービスしてからは料理の会話になっていた。
12時8分、一足先に休憩所を後にする。沢の奥方向の指導標には、「展望台広場」と書かれていたので、行ってみることにした。30m位歩くと「トンボの池」と名づけられた人工の池があり、ほとりに東屋が立てられていた。池の縁の水路側は水漏れ防止だろうが黒いビニルシートで覆ってあったので、ちょっと興ざめの感があった。大きく育った鯉が泳ぎ、池の中に置かれた大きな石の上では亀が2匹甲羅干し中だった。一つ嬉しかったのは、池のほとりにネコヤナギが植えられていたが、雌木で穂から柱頭が薄黄色の雌蕊が出ていたことだ。昨年もネコヤナギの花を数回撮ったが、雄花ばかりだった。見栄えとしては、雄花の穂の方が一回り大きく葯の色変化もあり楽しめるのだが。
 池の先で橋を渡ると、山腹を上る階段もあるやや急な道になった。途中の道端ではヤマルリソウの青い小さな花やタチツボスミレの花が咲いていた。ヤマルリソウが見られたのも嬉しかった。昨年も小仏城山から相模川に下った時、千良木集落と弁天橋の間で見たが、しっかりピントがあった写真が撮れていなかったためだ。しかし最盛期にはやや早かった。ミスミソウに似た葉も見かけたが、花の姿は見られなかった。
 12時25分、八菅山の稜線に出る。幅1.5mほどのコンクリート舗装の道が稜線を通っている。北へ向かうと直ぐに、梵天塚と書かれた立て札があり、竹で作られた柵の中に彫刻のある石柱が立っていた。4分ほど緩い傾斜の舗装道路を行くと、高さ7、8mの展望台のある展望台広場に着いた。脇には東屋もあり、幼い子供を連れた家族が休んでいた。展望台に上がって見た。愛川町の中心部や工業団地が良く見える。良く晴れた天気だったが、遠方は春霞でくっきりとは見えない。
 この展望台広場付近にはフィールドアスレチックの木製遊具が備えられている。案内図を見ると、先ほどの梵天塚の東の尾根にも遊具のある安らぎの広場があり、今回は通らなかったが、その梵天塚と八菅神社との間にはお花見広場という名の広場があってやはりフィールドアスレチックの遊具があるようだ。展望台広場は、八菅山いこいの森の北端に当たるようだった。
 今日は、八菅山の続きの尾根を歩いてみるつもりでいた。舗装道は展望台広場までで土の道に変わるが道幅は結構広く緩やかな傾斜が続く。すぐ左側には樹間から中津川カントリークラブのゴルフコースがチラチラ見えるようになる。尾根上のコブのような小ピークは巻いている。展望広場から6分「登尾入口 八菅山尾山 里山を守る会」と書かれた標柱があり、小ピークに尾根道が伸びていた。さらに1分半錆びた鉄柱の車止めがあり舗装道路に出た。左の下り坂は「立入禁止 この先ゴルフ場」の立て札がある。先に進むと、砂利道になったので坂の部分だけ舗装してあるようだった。道端にはヤブツバキの赤い花が綺麗に咲いているところもあった。ゴルフコース越しに上荻野地区の家や畑地が見下ろせるところもあった。
 12時49分。正面にプレハブと木造の建物が見え、手前で道路が分岐している。ここも左はゴルフ場内立入禁止の立札。右は上荻野バス停方面と書かれた立札がある。そこから間もなく指導標があった。右に山道が分岐し、幣山0.6kmと書かれていた。進行方向は上荻野バス停1.8kmとあった。坂を下ると右に1階がトラクターやゴルフカートの車庫、2階が事務所の新しい建物があった。上荻野バス停に出る道は、ここから左にゴルフ場のコースの間を下って行く。北西に伸びる尾根にはさらに車道が続いているが、指導標は無い。
 今回の歩きの前にインターネットで、ほとんど今日の自分と同じコースを歩いた人の記事を読んでいた。その人は、ゴルフ場の最北端の地図上で標高が221mと書かれた地点から地図上に道が示されていない尾根を下って、海底(おぞこ)の集落に降りていたが、221m地点からゴルフ場の外周路は西に向かい、丸山地区に下りられると推測していた。それを歩いてみようと思っていた。
 221mの地点に1時13分到着。そこは水道のタンクが埋設されている様子。便意をもよおし、森の間に入って用を足していたら、車が1台来て水道タンクのところで止まった。2人の男性が乗っていた。一人が車を降りて森の中に入って行った。何の目的かは分からなかった。森から道戻ると、残っていた一人に「ここを登ってきたの?」と聞かれたので、「いや。用足しに…」と答えると、先に山に入った人はどっちに行ったかと聞かれた。指さして「あっちに」と言ったが、藪を歩く音も聞こえて居たのですぐ分かっただろう。「このまま暖かくなるといいね」など言い残して森に入って行った。
 外周路はしばらく行くと、猛烈な下り坂になった。この傾斜でも車が走れるものかと驚くほどだった。221mのところから300m程下ったところで、道はゴルフコースの中に入って行くのが分かった。「アチャー!」である。これを書きながら、別のネットの記事をみていたら、海底地区から丸山地区に抜ける打越峠からゴルフ場の縁を八菅山に抜けるコース紹介の記事があった。問題の部分に付いての詳細記述は無かったが、打越峠に通じる山道があるなら、わずか50mほどの間がゴルフコースで不明なだけである。ゴルフコースの縁まで行かなかったが、境界線に沿って歩ける歩道があったのかも知れない。
 221m地点まで急坂を上り返す。1時25分に戻り着いた。先ほど二人連れの車はまだその場所にあった。一般のコースまで戻る気はない。地図に記されてない踏み跡を辿るつもりだった。221m地点から北西に下る尾根は始めは、ほとんど道と言って差し支えない明瞭なものだったが、5,6分下ると尾根が広くなりどれが踏み後か不鮮明になってしまった。樹木の間に打ち捨てられた何本かのVHFのTVアンテナがある。ケーブルTVなど無かった頃に海底地区の住民が利用していたものかも知れない。踏み跡を探すのに少々時間を要したが、最終的にかなり幅のある林道の跡みたいなところを見つけた。真っ直ぐ尾根を下って行く。多少藪もあったが、ほとんど障害にはならず、やがて尾根の先の樹間から中津川に掛かる角田大橋が見えてきた。標高130m付近に来て、尾根の右側に回り込んで下る。幅のある道の跡だが傾斜がきつい。整備された直後であっても普通の車は無理だろうと思われた。「キャタピラで動く車両ならどうにかかな?」という感じだった。一般道が見えて来たところで、数本の杉の木が倒れて道を塞いでいたが、さほど苦労せず、乗り越えられた。ところが、一般の車道との間には、鹿柵がある。しかも電気柵の様でもある。「俺は獣じゃない!」と叫びたい気分だった。廃道を降りたので、下り切った場所の正面には扉も無い。左側は狭い草地がしばらく続いていて、その先は擁壁である。幸いと言うよりは当然だったのかも知れないが、すこし草地を歩くと扉があった。フックを回転してロックする簡単なものだった。
 1時43分、2車線の一般道に出た。地図に無い踏み跡を辿ったのは20分足らずの短い時間だった。2分足らずで角田大橋に着き、県道54号線に出る。角田大橋のバス停が橋の脇にあったが、一つ上流側の平地の店の前にある下戸倉まで行き、1時間に1本のバスを15分ほど待ち、JR横浜線淵野辺駅に出て町田に戻った。
 「山野草が咲き始めているかも」という期待はあったが、少々早すぎたかも知れない。でも暖かくて、最初着ていた薄手のダウンジャケットを脱いでも、まだ汗が出そうな陽気であった。この陽気が続けば、もう後1週間でもかなり様々な花が見られるだろう。
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写真は「八菅山展望台から望む愛川町中心部」「ゴルフ場から下った地図に無い道」



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