近況報告

2014 ソチ・オリンピック考 

2014年02月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:イベント

深夜のライブ中継に、連日 寝不足の私であります。(汗)
今回は、特に若い世代が活躍していますね。

ジャンプの高梨沙羅ちゃんは17才にして、あのしっかりとした受け答え。
美しい日本語を使い、人の目をじっと見て話す姿勢も、真摯でとても好感が持てます。
メダルを逃したインタビューでは一切言い訳をしなかったけれど、頬を伝う涙を拭う姿を見ると、あんなに好調でも、やはりオリンピックの重圧とは大変なものだったのでしょう。

逆に、そんなプレッシャーも緊張も「思ったより感じなかった」と言い放ち、あっさりと銀メダルを掴んだハーフパイプの平野歩夢くん。
モチロン、小さい頃からの練習と努力を重ねた結果ではありますが、感情を露わにしない飄々とした話し方に、等身大の15才の姿を垣間見た気がします。


そして19才で金メダルを手に入れた、フィギュアの羽生結弦くんが子供の頃から憧れ、髪型まで真似てマッシュルームにしていたというロシアのプルシェンコ選手は、滑走直前で棄権というアクシデント。
腰にボルトが3本と人工の椎間板が入っているとか、人間用の痛み止めが効かなくなり馬用の薬を使っていたとか、満身創痍で戦っていた彼が引退を表明したオリンピックで、羽生くんが金メダルを獲るというのは何だか因縁めいて、千代の富士と貴乃花の世代交代劇を彷彿とさせる男子フィギュアでした。

モーグルの伊藤みき選手は直前練習で、12月に痛めた膝の故障が悪化し、出場取り止め。
勝つことも負けることも出来ずに帰国するのは、どんなに辛かったことか。
伊藤選手が選ばれなければ、出場できた枠の選手もいたのでしょうから、そういう予想外の事も含め、様々な責任とドラマが「オリンピックには魔物が住む」と言われる所以なのでしょう。


ソチが最後のオリンピックという選手もいました。
怪我や故障に泣き、辛いリハビリに耐えても、オリンピックという特別な舞台を目指し、戦い続けてきた彼らにこそ金メダルを獲って欲しいけれど、なかなか上手くはいかないものですね。

でもメダルに手が届かずとも、とても晴れやかな満足感を胸に清々しい笑顔で競技を終えた、モーグルの上村愛子さんやフィギュアの高橋大輔くんには、今まで色々な事があったトップアスリートの紆余曲折に、心からの拍手を贈りたいと思います。
有終の美、何とか飾らせてあげたかったなぁ・・・


スキー・ノルディック複合の渡部暁斗さんが、ドイツの選手と競り合って掴んだ銀メダル。
ソチのスタジオでその瞬間を見守っていた解説者、同じくノルディック複合の選手として活躍し、長野オリンピックを最後に引退した荻原次晴さんが、人目ならぬカメラの前もはばからず号泣したのを見ました。

萩原さん兄弟の活躍当時、ノルディック複合の団体競技で、日本が続けて金メダルを獲った為、日本選手に不利なルール改正になってしまい「ノルディック複合はこの20年間、皆さんの期待を受けながらメダルを獲れなかったんです。本当に苦しかったんです・・・」と、近くで見てきた20年間の苦難の道のりを思ったのでしょう。
涙で声を詰まらせた姿に、こちらまでもらい泣き。

(そう書いているたった今、その20年を既に超えて7度目のオリンピックというジャンプの葛西紀明選手が、個人ラージヒルで41才にして銀メダルを獲得です! 金メダルを目指してまだ頑張ると会見で答えた力強さは、正にレジェンドと言われる男そのものでした!)


こんなエピソードもありました。
クロスカントリーでロシアの選手が転倒し、片方のスキー板が真っ二つに折れてしまいました。
ルールでも、スキー板の交換や貸し借りは出来るらしいのですが、タイムが遅れるからなのか、ボロボロの板でそのまま四苦八苦しながら、片足だけで滑走していたら、やっとコーチらしき人が横から飛び出してきて、スキー板を交換していきました。
でも実は、それはロシアではなく、ライバルであるカナダのコーチだったそうです!
これこそ平和を願って続いてきた、オリンピックの本来の意味を象徴するシーンですよね。


それはそうと、今回初めてフィギュアの団体戦が組み込まれましたけど、アレはやっぱりジャンプの様に、最後にスケジューリングすべきだと思いませんか?
運動会だって、対抗リレーは最後の種目。(笑)
最後だからこそ盛り上がって、選手も応援側も更に気合が入るのではと思います。
だから、韓国のキムヨナ選手に「団体戦で失敗や怪我でもしたら、個人の演技に影響が出るから、団体戦は出る必要が無いわ。」とバッサリ言われちゃうのだ。

キムヨナと言えば、フィギュアの浅田真央ちゃんの演技がまだ残ってますね。
卓球の愛ちゃんの様に、小さい頃から成長を見てきた選手は、まるで自分の子供の様に気になってしまいます。
彼女の目標でもある完璧なトリプルアクセルを決めて、自分が納得のいく結果を残して欲しいものです。


スポーツの国際大会というと、以前のメダリストはロシアやアメリカなどアングロサクソン系の欧米勢ばかりといった印象ですが、フィギュア男子の表彰台の映像や写真で、羽生結弦、パトリック・チャン、デニス・テンの東洋系スリーショットの顔と名前が並んだのを見るにつけ、これからはアジアの時代かなと考えたりしました。

陸上100mで世界新記録を出した高校生の桐生祥秀にしろ、体操の世界選手権を前人未到4連覇した内村航平にしろ、テニスの世界ランキングで11位まで上がった錦織圭にしろ、日本人も各競技で活躍していて嬉しい限り!


「日本国民として最高の舞台で沢山の応援を頂き、金メダルという素晴らしい評価を頂いた事を誇りに思います。これからも日本国民として恥じない、金メダリストらしい日本人らしい人間になれる様に努力していきたい。」と、インタビューで語ったフィギュアの羽生結弦くん。
母国を誇りに思う姿は、若い彼が言うからこそ、より感動的です。

泥酔して乗客や乗務員に暴力行為を働き、ニューヨーク行きの飛行機を6時間遅れさせ、アンカレッジで降ろされたどこぞの日本人男性には、爪の垢でも煎じて飲ませたいもんだ。(泣)


余談ですが、羽生結弦くんって、ある人に印象が似てるなぁとずっと思っていました。
それはアニメ、エヴァンゲリオンの主人公「碇シンジ」です。
体格の線の細さやあどけない笑顔など、少年特有の透明感が似ているせいもあるのでしょうが、実は外見とは違う熱く強い心を内面に持つリバーシブルなキャラが、シンジくんとシンクロする気がしました。

滑る前、実は足が震えていたと打ち明けていた彼は、きっと心の中であの有名なセリフ「逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!」と叫んでいたに違いありません。(笑)
 



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ダイジョウV!

emiさん

>座敷おやじさん
全く気付きませんでした!(笑)

2014/02/17 13:55:25

ゴメンね

座敷おやじさん

文章中の名前に「さん」が抜けてたぁ〜〜

失礼しました

2014/02/16 21:09:44

確かにメダルの数だけじゃない

emiさん

>座敷おやじさん
お褒め頂き、恐縮です。
確かにメダルの数だけではなく、その裏にある様々なドラマが素晴らしいんですよね。
そこには、選手たちの生き様が溢れています。

2014/02/16 15:40:23

凄い観察力

座敷おやじさん

emiさん
おはようございます

emiのコメントの緻密さに実況を見ているような感覚になりました。

夏も冬も、オリンピックは白人ルールですからねぇ〜
本当に腹立たしく思う事がよくありますね?

報道ではメダルの数だけが大々的になされますが。あれもどうかと思いますね?
でも、若い子の活躍が凄い
日本もまだまだ、捨てたものじゃないですね

2014/02/16 08:05:53

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