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パトラッシュが駆ける!

ガチャリ 

2013年11月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

「もしもし、こちらAKCの、田中と申しますが」
この瞬間にもう、私は、電話を切ってしまう。
何も言わない。
一言発したら、三言にも四言にもなって、返って来るだろう。
それは、時間の無駄と言うものだ。

おおよそのことが、推察される。
金融、証券、不動産などなど、要は儲かりますよと、そう言うことであろう。
私はもう、そちらの方面には、一切の興味がない。

欲がなくなっている。
「物欲」に「金欲」である。
ついでに言えば「色欲」もだ。
唯一残っているのが「食欲」だが、これも食通を目指すほどの、意欲がない。
そもそも、何を食べても美味いのだから、始末が悪い。
こんな私が、グルメになれるわけがない。

その他にも、電話はかかる。
保険、墓地、リフォーム・・・
どれも、必要ないから、「ほ」あるいは、「ぼ」と聞こえた途端に、
さっさと切ってしまう。
冷たいようだが、相手だって、その方が、良いのではあるまいか。
私に費やす時間を、他へ回せるではないか。

横文字の社名が多い。
アルファベット三文字なんていうのが、流行のようだ。
その名からは、業務の実態が推察出来ない。
わざと、そうしているのかもしれない。
「実はですねえ」と、名前の由来を語り、仕事の内容を、説明をする過程で、
相手を自分のペースに、引き込むのではなかろうか。
私は、そんな風に想像している。

「斎藤ですが」
ごくたまに、いきなり、個人名で来るのがある。
「どちらの斎藤さん?」
「皆様の資産の増加への、強力アドバイザーです」
考えたものだ。

斎藤の一人や二人、誰にだって、知人がいるだろう。
そのポピュラーさを逆手に取った、一つの作戦ではあろう。
失礼になってはいけないから、つい、企業名より、丁寧な応対になる。
もちろん、資産の「し」を聞いた途端に、電話は切るのだが、
それでも少し、時間を奪われることになる。
かりそめにも、その口車に乗ったことが、忌々しい。
今度は、こっちから、一杯喰わせてやろう・・・
反撃を思い付いた。

「○○高校で同級だった、斎藤君だな」
「いえ、違います」
「斎藤君の息子さんでしょ」
「いいえ、違います」
「練馬に住んでたでしょ」
「いいえ」
「その後、蒲田に引っ越した」
「あのですねえ」
「皆さん元気?」
「そう言うことではなくて」
「お父さんに、似てるなあ、声が」
「もう、いいです」

委細構わず喋っていると、終いには、向こうから電話を切る。
気味悪くなったのでは、あるまいか。
時には、認知症患者を装うのもいい。
「今日はまだ、飯食わせてもらって、ないんだよね、おれー」
鼻をすすりながら、哀れそうな声を出す。

この際のコツは、相手の言うことに、耳を貸さないことだ。
一方的に、喋りまくること。
そうすると相手は、いい加減に「こりゃ、だめだ」となる。

但し、この手は、時間の有り余る時にしか、使えない。
忙しい時は、やはり「ガチャリ」だ。
「斎藤?居ないな、私の知人の中には」と瞬時に判断し、
切るのがよろしい。

「もしもし、遠野と申しますが」
聞いたことのない名だ。
知人の中には、居ない。
さあ、やったろうか・・・
張り切って、何時もの反撃を始めた。

「高校の同級生の?」
「違います」
「息子さんでしょ?」
「私はですねえ」
「世田谷に住んでた?」
「先日、メールを差し上げました」
「その後、本郷に引っ越した?」
「囲碁のことで」
「?・・・」

どうも様子がおかしい。
話が、噛み合わない。
「教えて頂きたいと思いまして」
「ああ・・・」
よく考えれば、そんなことがあった。

私は、あるSNSの、囲碁コミュニティに加わっている。
そこに時折、私の囲碁サロンのことを書く。
初心者教育に、力を入れているサロンです。
懇切丁寧に、教えていますと。

そうすると、時たま、そこのメンバーから、メールが入る。
いいサロンですねえ・・・
教えて頂きたいなあ・・・
場所は、どこですかと。

しかしながら、実のところを言えば、その多くが“ひやかし”なのだ。
彼らの言葉を、まともに受け取ってはいけない。
そう、言ってみるだけ。
つまり、お愛想のようなものだ。

十のお愛想があって、実際に来るのは、一人か二人としたものだ。
そのくらいに、ネット社会の縁は薄い。
そう思っていた。
だから、遠野氏の名も忘れていた。
ガチャリをやらなくて、よかった。
危うく、私の方から、縁を切るところであった。

こういうことがあると、対応策を、練り直さねばならない。
「弟子入り志願の、斎藤さん?」
こう聞いてしまった方が、そのものずばりで、良いのかもしれない。



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沈黙は金

パトラッシュさん

トパーズさん、
なるほど、無言で対応ですね。
それがいいですね。
一日に4回もとなると、「ああ、またか」と思うでしょうけれど。

2013/11/18 07:39:58

あはは

パトラッシュさん

あんみつひめさん、
詐欺君を怒らせるとは、大したもの。
ひめさんの勝ちー

2013/11/18 07:35:43

セールス電話

トパーズさん

我が家の電話番号は、電話帳に載せていない筈なのに、
どこから漏れたのか、ここ数年セールス電話が
1日に平均2〜4回は掛かってきます。
殆どは、コンピューター操作で、こちらの声が聞えたら
反応して話し出すシステム。だから電話が来たら
受話器をとっても、暫く無言のままです。
そうすると、大抵の場合は、自動的に切れてしまう。
今のところは、これで対応しています。

2013/11/18 03:48:09

オレオレ詐欺

さん

オレオレ詐欺から数年前電話があり、オレオレ詐欺君怒らせたことあります。

くそばばあと言って電話向こうから切りました。(笑)

2013/11/17 21:02:53

ご油断めさるな

パトラッシュさん

喜美さん、
お金のあるなしは、外観からは、わかりません。
かかる可能性も、あります。
日頃から、十分にお気を付け下さい。

2013/11/16 16:49:58

美徳です

パトラッシュさん

ねいびぃ〜さん、
妻が同じです。
演技してやれというのに、まったく出来ません。
まあ、正直も美徳ですから、仕方ありませんね。

2013/11/16 16:48:07

タイム伊豆マネー

パトラッシュさん

しっかり者の吾喰楽さんが、詐欺に引っかかることは、ないと思われます。
それでも、留守電がいいでしょうね。
一々応対するのは、時間の無駄ですから。

2013/11/16 16:45:46

案外

パトラッシュさん

夏の葉さんも、ユーモアがおありのようで・・・
欲を捨てれば、この世も案外住みやすいかも・・・ですね。

2013/11/16 16:41:08

そうなのです

パトラッシュさん

hanahanaさん、
不特定の方から、電話が入ることもあり、留守電に出来ません。
それでいろいろ、対策を練っております。

2013/11/16 16:38:19

お読み頂きまして

パトラッシュさん

風香さん、ありがとうございます。

2013/11/16 16:36:28

笑いました

喜美さん

私はもう少し聞くかな でも忙しいとすぐ切ります
ペンキ塗るとか瓦がどうとか言われると
身内にそれやっているのがありますからと切ります
おれおれ詐欺は私子供に援助してもらっているから子供からは電話ないはずですと言うつもりが 相手もお金持ち狙うのね かかりません

2013/11/16 13:38:56

おもしろい^^

さん

凄いアイデアが沢山ですね。
素晴らしいです^^
私も色々演技してやろうかとも思いますが
いざとなると普通に断ることしかできません。
パトラッシュさんを見習いたいです^^

2013/11/16 13:09:47

留守電

吾喰楽さん

わが家も、常に留守電にしています。
知っている番号には出ますが、それ以外は一切出ません。
しかるべき用事の方は、伝言を残してくれる筈です。
身内や友人とは、携帯電話か電子メールを利用しています。
だから、オレオレ詐欺は、絶対に大丈夫。
もっとも、だまされるのに必要な貯金がありません。
心配はする必要はないのですが、時間が無駄です。

2013/11/16 11:55:42

我が家も、です

夏の葉さん

うちの夫は「後期高齢者でね、明日をも知れぬ命なのよ」「せっかくだけど、それまで生きてるかなぁ」てな調子で楽しんでます。

物欲、金欲、我が家もゼロ。穏やかに暮らすのが一番、と思ってます。
ただ、パトさんとこは囲碁サロン関係があるんですね。
そこだけは、ガチャリにならないよう、お気をつけて。

2013/11/16 10:51:05

おはようございます。

hanahanaさん

いつも楽しく読ませて頂いてます。
我が家にかかる電話も殆どセールスですのでいつも「留守電」状態です。
用事のある方は伝言を残してくれますのでこちらからかけ直します。
伝言の途中で「お待たせしました」と出る場合もあります。
お商売をされている方は「留守電」には、出来ないでしょうね。

2013/11/16 10:34:48

Good!

さん

素晴らしい知恵です^^

2013/11/16 10:30:37

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