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10月13日 石老山へ(2/3) 

2013年10月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:自然探訪

 山頂を発って4分、一旦篠原の集落に下って石砂山に至る東海自然歩道と、メインコースの大明神展望台を経てプレジャーフォレスト前バス停に下る尾根の分岐に到着。ちょっと迷ったが、まだ午後1時前。車道歩きが長くなるのは分かっていたが、篠原の集落に下ることにした。
 分岐を過ぎると、いきなり高差50mの急な下り坂。階段が作られてはいるが、少々傷んでいる。石ころを踏まぬように慎重に下る。東海自然歩道の一部とは言え、余り多くの人が歩いている形跡が無い。道脇は猪の仕業だろうか草の根がずっと掘り返された跡が続く。登山者は誰一人見かけず、まだ陽は高いが、幾分、心細い。猪や熊などとの遭遇は御免である。コブを乗り越えるとまた急な下り坂になる。 もし篠原の里に下ったら牧馬峠を越えて、道志川の流域に出ようと思っていたので、地図にルートは載っていないが、牧馬峠への尾根にショートカットする道があることを期待していたが、それらしき分岐は見当たらなかった。
 1時3分、金毘羅神社前に出た。木製の祠の上に更にがっしりした屋根掛けをしたような社で、高さは3m程か。神社の前は、石老山と篠原の間で唯一の休憩所でテーブルが設置されている。標高は550mの尾根上の小ピークでまだ人里は遠い。神社の写真を撮っただけで、また下りに掛かる。上りに歩いた表参道とは異なり、ほとんど緩やかな場所がない急な尾根で、高度はぐんぐん下がる。一部落葉樹もあるが、檜の植林の道で展望もほとんど無い。ひたすら下るだけである。
 1時23分、樹間から山麓の斜面に立つ民家の屋根が見えた。ホッとした気分になる。3分くらいで道は尾根を離れ、人家のある沢筋に折れる。山麓の民家近くの妙な場所にテントの屋根がけがあり、人がぞろぞろ行き来している。はて?と思いつつ石垣のジグザグを下る。途中に、キク科のホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)が花を付けていたので写真に撮った。畑の間を抜けると舗装道路に出た。
 この日(13日)と明14日に、ぐるしの(ぐるっとお散歩篠原展)というイベントが開催されている事が、後で分かった。妙な場所のテントの屋根掛けは水車小屋跡で、そこへの道際は「みちしるべ」写真展会場になっていたのだった。県道に下る道でも多くの観光客とすれ違った。途中の家では造形作家の作品展も行われていた。
 道端にメナモミ(雌菜揉)の群落があった。キク科で花自身は大きくは無いが、花の周りにクモヒトデのように細い総苞片が5本伸び、その総苞片にはネバネバの粘液を出す腺体がびっしり付いている。ひっつき虫になり、衣服に付くと厄介だが、造形的には面白い花である。自宅付近では見られない草だったので、嬉しかった。白い穂の花もあり、晒菜升麻がここにもかと思ったが、同属の大葉升麻だった。ヤマゼリ(山芹)、コアカソ(小赤麻)、そして花は終わり実だけになったカラムシ(苧麻)の群落もあった。
 車道に出てから400m程下ると2車線の県道518線のT字路に出る。左折して牧馬峠に向かう。逆方向に行くと県道517号と合流し、石老山の山腹を回って国道412号線のプレジャーフォレスト前バス停にまで4.5km、植林の中を長く歩かねばならない。牧馬峠を越えて国道413号線までは5.9kmと少々距離があるが、変化に富んだ眺めや、道端の野草にも期待できる。県道を200mほど歩くと、篠原のバス停があった。休日運行されるバスは16時35分発のやまなみ温泉行が1本あるだけで、やまなみ温泉でJR中央線の藤野駅行きに乗り継ぐことができるが、なかなかバス利用はし難い。ちなみに平日は通勤、通学のためかもしれないが、9本のバスがある。
 篠原バス停の少し前の土手の上に、旧篠原小学校の建物を使ったNPO法人「篠原の里」があり、ぐるっとお散歩篠原展もここの企画で、当日は本部として里の市が開催されていたようである。県道も歩く人が多く、臨時駐車場も設けられ、多くの車が駐車していた。また、旧篠原小学校は交流・宿泊・研修・ふれあい施設の「篠原の里センター」にもなっているそうだ。バス停の近くの家の庭先からはフォークギターの音色と女性の歌声が聞こえた。ミニ・ライブコンサートの様子だった。
 東海自然歩道の石砂山登山口に向かう道の橋を右手に見送り、県道を進む。二車線のしっかりした道で、イベント開催もあってか、乗用車やバイクが多く通るが、大型車は見かけない。徐々に傾斜が増し、谷川に沿った道になり、滑り止めの特殊舗装の箇所もある。篠原の集落の奥の家から500mほど歩いた所に、ロッジ風の造りで大きいテラスのある家があった。庭へ続く道の入口に陶釉舎と書かれた看板があった。ネットで検索すると「陶芸家 碓井氏とやはり陶芸家でいらっしゃる、奥様と共に創作活動をしつつ、陶芸に関する豊富な事柄を教えておられます。」との記事があった。篠原の里から離れ過ぎで「ぐるっとお散歩篠原展」のコースに入れられなかったのだろう。
 間もなく県道は更に斜度を増し、コンクリート舗装に変わり、滑り止めのリングの模様が付けられている。石老山に登る途中、腹の具合が良くなく、一度トイレで用を足し、昼食も控えめに食べたのだが、また便意を催して来た。もう人家もないので、森の中でと思うが、県道端に格好の場所がない。堪えながら歩く。
 2時5分、牧馬峠に到着。石砂山に向かう登山道の入り口があった。歩く人も居ない様子なので、巻道になっている登山道を30mほど進み、緩い傾斜の尾根を巻く所で、道から離れて用を足した。2時15分、県道の峠に戻る。石砂山は県指定の天然記念物ギフチョウの生息地で、大きな看板がある。幼虫はカンアオイ(寒葵)の葉がけを食べて育つため、生育地が限られているそうだ。ギフチョウは「春の女神」と称されるアゲハチョウ科の蝶とのこと。
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写真1枚目は、石老山から篠原の里に下る尾根の金毘羅神社、2枚目は篠原集落から牧馬峠への県道



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