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パトラッシュが駆ける!

Wanted 

2012年06月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

昔「逃亡者」という映画があった。
警察に追われる容疑者が、進退窮まりつつも、間一髪のところで、これを脱し、
新天地へと逃げ延びて行く物語だ。
そこにスリルとサスペンスがあり、面白かった。
このネタが、ドラマになりやすいのは、逃亡犯=弱者であり、
それが大いなる権力と、丁々発止やるからだろう。

一方で、警察が知恵を絞り、悪辣そして、奸智に長けた逃亡犯を、
追い詰めて行く物語もある。
ベテラン刑事が、些細な遺留品から、ひょいと、その足取りを解析したりする。
謎解きの面白さがあり、そして何より、こちらには勧善懲悪の大義があるから、
これもドラマになりやすい。

追う者、追われる者、どちらの視点に立つかで、ドラマはがらりと、その様相を変える。
この国の人々には昔から「判官びいき」の“美風”があるけれど、それも時によりけりだ。
現在進行中のドラマの逃亡犯は、歴史に残る犯罪組織の一員であり、
さすがにシンパシーを抱く者など、居なかろう。
映画のような、ドラマチックな結末には、至らないような気がする。

 * * *

「逃亡の ごと北へ向く 我が旅の はるか来たりて またある峠」(西勝洋一)

若い頃、私はこの歌に出会い、大いに共感を抱いた。
「逃亡」が、何ともかっこいいからだ。
さらには「峠」が強烈なアクセントになっている。

そしてもう一つ「北へ向く」がポイントだ。
寒風吹きすさぶ、北国の町。
コートの襟を立てて行く、逃亡者。
その背に漂う悲哀・・・
こうでなくてはいけない。

逃亡犯は、北へ向かう・・・
物語としては美しいが、現実には、定説でもなんでもない。
私達が、そう思いたいだけだ。
北国の方が、人がまばらであり、警戒も薄かろうなんてことは、はるかに昔のこと、
単なるイメージに過ぎない。

その証拠に、イギリス人女性、リンゼイさんを殺害した市橋達也被告は、冷静かつ沈着に、
さっさと南の島に逃げている。

私だったら、どうするか・・・
私はそれでも、北へ目が向く。
南の方に、土地勘がないからだ。
それに、東京人としては、名古屋、京都、大阪なんてところへは、どうも行きにくい。
都市間のライバル意識なんてことではないのだが、どうも、素直に世話になりにくい。

かつて旅行で、一度は訪れたことがあり、少しは土地勘がある・・・
そんな町がよろしかろう。
これでも随分と旅に出ている。
そんな町の五つや六つ、私なら、たちまち思い浮かぶ。

金沢、秋田、青森、盛岡、仙台、・・・
何処もいい町だ。
しかし、どうもいけない。
切迫感がない。
私は、これらの町で、とりあえず美味いものでも食べてからと思い、
そうしているうちに、つい逃げることを忘れてしまいそうだ。

 * * *

潜伏に欠かせないのは「擬態」だ。
尺取虫が、その拠る枝に似るように、その地に溶け込んでしまうのがいい。
問題は、それが間に合うかどうかである。
何しろ、この情報化時代だ。
彼の写真は、もう全国津々浦々に行き渡っている。

一つだけ、助かる方法がある。
四国がいい。
あそこに渡り、早急に菅笠と白衣を入手する。
遍路である。

日がな歩き、そして、夜は野宿をしていればいい。
誰も咎めたりはしない。
そう言う風土なのである。
食料は、コンビニで買う。
なに、笠を目深に被っていれば、顔なんか見えはしない。
どうかすると、「お接待」と称し、ジュースくらいもらえたりする。

私は昨年、歩いて四国を一周したから、その辺のことが、よくわかる。
指名手配犯が身を潜めるには、絶好の環境と思われる。
実際過去には、遍路の中に、殺人犯が混じっていたこともあった。

 * * *

決して逃亡犯に、助言してやるつもりはない。
私だったら…と言う一つのプランである。
さらに言えば、私はものぐさだから、そもそも逃げ回ることすら、面倒くさい。
さっさと自首して出るだろう。

行きがかり上、逃げてしまった逃亡犯だが、今は早く捕まえてと、
こう願っているのではないだろうか。
案外近くに、そうスープの冷めない距離のところにでも、潜んでいるような気がする。



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お読み頂きまして

パトラッシュさん

我太郎さん、ありがとうございます。

2012/06/10 18:27:17

なんと

我太郎さん

毎回するりと逃げるのに、ひやひやしながら見ました
連続物は嫌いなんですが、あのドラマは毎回欠かさず見たものです
が、今話題の逃亡犯につなげましたか
なんと上手い展開ですね
一つ言いたいんですが、関西を誤解してませんか
まあ人の想いは想いですが、人情は厚いですよ
是非おいで頂きたいものです
特別なおもてなしは出来ませんがね

2012/06/09 21:49:17

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