読書日記

『想い人』 読書日記338 

2024年02月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

諸田玲子『想い人』文藝春秋(図書館)

あくじゃれ瓢六シリーズの6冊目。昨年末から新年にかけて図書館からこのシリーズを一気に借りたのだが、その時、この巻だけは借り出されていた。ということでしばらく待って借り出した。

内容案内では
恋女房のお袖が江戸の大火で行方不明になって八年が経った。
いまだお袖の生存を信じる色男の瓢六の許に、今日もまた厄介事が持ち込まれる。
居候先のお殿様の心中事件に、姿をくらました琉球王家のお姫様捜し、仇討ちの仲裁と忙 しい。
そんな折、お袖に似た女を見たという話がとび込む。どうする瓢六。

元悪党にして稀代の色男瓢六の人生の決断とは!
人気捕り物シリーズ第六弾。

となっているが、別の紹介では

元悪党にして稀代の色男・瓢六の「人生の決断」を描く人気シリーズ第六作。
瓢六にとっての「想い人」は誰なのか!

八年前の天保九年の大火で、恋女房のお袖とお腹の子が、行方知れずに――。
少しずつ、気力を取り戻していた瓢六のもとに、「梅の木を眺めている女がお袖にそっくりだった」という話が届いた。
瓢六の心は、お袖と、武家の女性・奈緒の間で揺れ動く。
瓢六はお袖と再会できるのか。それとも、奈緒への気持ちを貫くのか。
そのほか、島流しから江戸にもどり、妻との再会を願う武士など、魅かれあえども結ばれない男女を描いた今作は、「人を想う」ことの哀歓を情感豊かに描き出したシリーズ最高傑作!

となっていて、初めの紹介よりも内容に触れている。とは言え後の紹介を読んでしまうと結末の想像もついてしまいそうだ。第3巻の巻末近くでお袖が火事のために行方知れずとなって、4巻目からはガラリと趣を変えたシリーズであるが、天保の改革にまつわる4巻・5巻も一段落したうえでのストーリー作り。

なにしろ、たとえお袖が生きていたことにしても、いかなるいきさつがありどのような経緯を経ていたのか、読者に納得させねばならない。中にはこうした窮地を自ら作って苦しみながらも見事な解決策を思いつくことを喜びとする作家もいるようだが、諸田玲子もそれに近いのかも知れない。あと、一歩でご都合主義の話になりかかるところをなんとか踏みとどまってハッピーエンドにこぎ着ける。
(2024年2月8日読了)



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







掲載されている画像

上部へ