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読書日記
『パンデミック日記』 <旧>読書日記1556
2024年02月19日
テーマ:<旧>読書日記
「新潮」編集部・編『パンデミック日記』新潮社(図書館)
米大統領選、東京オリンピックの延期、世界各地でのテロ、安倍晋三総理の辞任、人工知能の成長と普及、ビットコイン熱の乱高下……2020年は激動の一年だった。時に時代に抗い、時に日常を守り、創造を続けた日々の記録により〈集合的時代精神〉が浮かび上がる。1月1日から12月31日まで、366日/52週を52人でのリレー日記!
という惹句で、雑誌「新潮」に掲載されたものをまとめたもので、執筆者は以下の通り。括弧内は付記されていた肩書き。
筒井康隆(小説家)、町屋良平(小説家)、松田青子(小説家)、ブレイディみかこ(ライター・コラムニスト)、柴崎友香(小説家)、菊地信義(装幀者)、菊地成孔(音楽家・文筆家)、小山田浩子(小説家)、ヤマザキマリ(漫画家・文筆家)、町田 康(小説家・ミュージシャン)、佐伯一麦(小説家)、角田光代(小説家)、朝吹真理子(小説家)、高橋源一郎(小説家)、石原慎太郎(小説家)、植本一子(写真家・エッセイスト)、内沼晋太郎(ブックコーディネーター)、金井美恵子(小説家)、山城むつみ(批評家)、水村美苗(小説家)、飴屋法水(演出家・美術家)、今村夏子(小説家)、東 浩紀(批評家・思想家)、エリイ(芸術家/Chim↑Pom)、大竹伸朗(画家)、島田雅彦(小説家)、青山七恵(小説家)、桐野夏生(小説家)、高山羽根子(小説家)、滝口悠生(小説家)、小川洋子(小説家)、坂本慎太郎(ミュージシャン)、千葉雅也(哲学者・小説家)、塩田千春(美術家)、津村記久子(小説家)、多和田葉子(小説家)、いしいしんじ(小説家)、金原ひとみ(小説家)、池田亮司(作曲家・アーティスト)、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家・演出家)、村田沙耶香(小説家)、柳 美里(小説家・劇作家)、上田岳弘(小説家)、近藤聡乃(マンガ家・アーティスト)、黒河内真衣子(デザイナー・Mame Kurogouchi)、柄谷行人(批評家)、宇佐見りん(小説家)、平野啓一郎(小説家)、坂本龍一(音楽家)、青葉市子(音楽家)、川上弘美(小説家)、蓮實重彦(フランス文学者・批評家)
ご覧の通り「小説家」が過半数を占め、他は様々な肩書きであるが何らかの縁で新潮社に関係のある人々であろう。私は以前に『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(読書日記1487)を読んだのであるが、読了しての感想も似た様なもので「文字が右から左へ通り過ぎる」だけのように感じ、執筆者の多くが意外に出歩き、人と会い、店での飲食が多いなぁと思うばかりである。
正直に言えば、他人がどこで何を食べようとまったく興味無いのである。
この執筆者たちの生活に興味があったとしても1人当たりの分量としては数ページなので、理解が深まる訳でも無かった。まあ、こちらの読解力の問題があるかもしれないが。
ただ、柄谷行人が多摩丘陵に住み、その毎日の散歩コースの紹介(「よこやまの道」など)が実際に歩いた経験もあって興味深かっただけだ。「(多摩丘陵では)散歩の途中で様々な動物に出会うが、1箇所凄いところがあってトラやライオンに会える。」とあって多摩動物園を書いているのは笑った。
結論的に言えば、惹句は誇大広告。図書館でも予約が多いのはこの惹句の為ではないだろうか。また、数カ所にコラージュされた写真のページがあるが、雑然としているばかりで何を言いたいのか私には判然としなかった。
(2021年8月24日読了)
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