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読書日記
『古本食堂』 読書日記334
2024年02月17日
テーマ:読書日記
原田ひ香『古本食堂』ハルキ文庫
図書館の蔵書にあるが、予約も多い本でしばらく待つかと思っていた本が文庫化されて書店にあったので思わず購入してしまった。
amazonの内容紹介では
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う!
神保町の小さな古書店が舞台の
絶品グルメ×優しい人間ドラマ
大ベストセラー『三千円の使いかた』『ランチ酒』の著者による熱望の長篇小説
美希喜(みきき)は、国文科の学生。本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。大叔父の妹・珊瑚(さんご)さんが上京して、そのお店を継ぐことに。滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり……。カレーや中華やお鮨など、神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。
となっているのだが、初めは大叔母の珊瑚(さんご)さんと大姪の美希喜(みきき)との二重視点であることに気づかず、あんれ名前が違う?と戸惑ったが二人の関係と「あたい」と「私」との差が判ってからは楽に読めた。
内容は短篇が全部で6話。目次だけ写す。
第一話 『お弁当づくり ハッと驚く秘訣集』小林カツ代と三百年前のお寿司……
第二話 『極限の民族』本田勝一と日本一のビーフカレー
第三話 『十七歳の地図』橋口譲二と揚げたてピロシキ
第四話 『お伽草子』とあつあつのカレーパン
第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば
最終話 『輝く日の宮』丸谷才一と文豪たちが愛したビール
特別対談 片桐はいり×原田ひ香
それにしても、「古本食堂」という名前の通り、食べ物の話が多い。確かに、今も神田界隈はカレーの激戦地だそうだが昔(およそ50年前)の神田界隈にも食堂が多かったような気がする。が、外食という贅沢は出来なかった当時の私にはまったく無縁で、店名も判らないばかり・・
そして、古書店だが神田にはほぼ何でもあるが、古書としての値打ちが判っているからだろうがついている価格も高かった。学生のころ、大きなからのカバンと一万円札を2,3枚持って年に1回ぐらいの割りで午前中に神田に行った。御茶ノ水駅から坂を下って、目の前に現れる古書店に入って気になる本を片っ端から買った。岩波映画まで来て水道橋駅へ上るころにはそれまで気にならなかったカバンの重さと財布の軽さに凱旋気分だったことを思い出す。で、不思議なことに買うつもりで行った目当ての本には出会え無いのが毎度のことだった(懇意にしている古書店があった訳では無く、かつまた店主と話すほどの勇気は無かったためかもしれない)。
(2024年2月4日読了)
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