読書日記

『農ガール、農ライフ』 読書日記331 

2024年02月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記


垣谷美雨『農ガール、農ライフ』祥伝社文庫

近頃、農業に絡んだお話(小説)が増えて来ている様な気がする。で、自分の記録を調べて見たら、タイトルに「農」の字が入って居る本は全部で5冊。そのうち4冊は農業問題についての本で、小説はこの本が初めてであった・・

うーむ。農林水産省の統計によると農業就業者の平均年齢は2021年時点で67.9歳で、5年前に比べて 0.7 歳上昇し高齢化が進んでいると言う(ちなみに60歳以上の就労者は全体の7割近い)。私の十年ほど前の認識では(その時の)平均年齢はおよそ60歳で毎年平均値はほぼ1歳ずつ増えているというものだった。言い換えると新規就農者はほとんどおらず、現状の農家が毎年1歳ずつ年をとっていく、というイメージであった。しかし、5年間で0.7歳しか上昇していないなら、多少は若い人が就農しているのかもしれない。

ところでこ本の広告文は以下の様になって居る。

耕せば、人生は開ける! ……って本当ですか?
仕事も彼氏も家も失い、農業に目覚めたアラサー女子。
おんな一人、自給自足のハッピーライフは手に入るのか?
すべての迷える女性に贈る、リアル・サバイバル小説!

大丈夫、まだ、笑える――新しい自分に出会うRe:スタート!
「結婚を考えている彼女ができたから、部屋を出て行ってくれ」
派遣ギリに遭った日、32歳の水沢久美子は同棲相手から突然別れを切り出された。
3年前、プロポーズを断ったのは自分だったのに。
仕事と彼氏と家を失った久美子は、偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付けになった。
自力で耕した畑から採れた作物で生きる同世代の輝く笑顔。
――農業だ!
さっそく田舎に引っ越し農業大学校に入学、野菜作りのノウハウを習得した久美子は、
希望に満ちた農村ライフが待っていると信じていたのだが……。

読まなくとも筋はほぼ想像がつく。就農へのきっかけ→期待に満ちたスタート→現実の厳しさと問題点の数々→周囲の人に次第に認められていく→ある程度のハッピーエンド、だ。本書もその王道パターンを辿る。

しかし、現実には農業人口は減り続けている(農業従事者は200万人強で全就業者数の3%程度である)し、土地持ち非農家(農地は所有しているが農業をやめた農家)は急速に増加している。たったそれだけの就労者数で食糧安保なんて無理でしょう、と私は思うのであるが、門外漢であることは自覚しているのでこれ以上は書けないし、書かない。
(2024年1月26日読了)



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