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読書日記
『術策 惣目付臨検仕まつる』<旧>読書日記1542
2024年01月17日
テーマ:<旧>読書日記
上田秀人『術策 惣目付臨検仕る』光文社文庫
水城聡四郎を主人公とした「総目付臨検仕る」シリーズの2冊目。水城聡四郎を主人公としたシリーズは「勘定吟味役」シリーズ8巻、「御広敷用人 大奥記録シリーズ」12巻、「聡四郎巡検譚シリーズ 」6巻に続く4シリーズ目であるが、聡四郎も少しずつ出世し、いまや大名役とも言える総目付である。
が、問題は水城聡四郎は部下も同僚も持たず、一人だけということである。名目上は目付が配下であるが、実質的には目付は老中の命を聞く。吉宗の命を受け聡四郎はまず奥右筆と対峙する。吉宗の後ろ盾により奥右筆組頭を免職し、残る奥右筆を掌握した聡四郎は次は目付を通り越して目付の手足となる徒目付を掌握するため、現職の徒目付全員をお役御免とし、新たに50人余りの徒目付を採用する。
そうした中で免職された元奥右筆筆頭は老中の一人と組み、同じく罷免された徒目付の中から隠密役を務めていたもの5人を訪れて、月2両で総目付追い落としの手伝いをせよ、と持ちかける。
というのが本巻の粗筋であり、本書を買ってきたその日のうちに読了した。そこで思うことは、著者は多くのシリーズものを抱えているうち、最近2つのシリーズを中途半端に終わらせた。水城聡四郎シリーズも本シリーズで終わりにするとの噂も聞こえてくる。果たして今後、話がどのように展開していくのか続巻が待たれる。と言うより作家上田秀人がどのようになって行くのかに興味を持ってしまう。
(2021年7月20日読了)
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