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読書日記
『天つ御空へ』 読書日記318
2024年01月11日
テーマ:読書日記
知野みさき『天つ御空へ』ハルキ文庫
およそ10年ぶりに出た「妖国の剣士」シリーズの第5巻。第二部のスタートである。もっとも私は第5巻発売の前に1〜4巻が再刊され、それから読み始めたので中断は無く続いている。
第1部では初巻の『妖国の剣士』はそれだけで一応完結するが、全体の序論、背景紹介のようなものであり、2巻『妖かしの子』では主要登場人物である黒川夏野、謎の少年蒼太、安良国一の剣士と目される鷺沢恭一郎の詳しい紹介編ともとれる。3巻『老術師の罠』では悪役の老術師・稲盛文四郎が現れ、一連の妖魔による襲撃の黒幕であることがわかる。4巻ではさらに西都・斎佳の重鎮である西原家が大老の地位を狙う陰謀を企て、主人公3人の活躍によって一応事件は収まる。
という流れの中での本巻の内容紹介。
人間と妖魔が暮らす安良国。人と妖かしがなれ合うことは普通無い。
だが妖魔の目を己に取り込んだ女剣士・黒川夏野とその目の持ち主である妖魔・蒼太、そしてその保護者であり国一の剣士である鷺沢恭一郎は互いを認め、国を乗っ取ろうと暗躍する稲盛文四郎を撃退していた。
それから数箇月後、国皇・安良に呼び出された三人に新たな命が下される──。
傑作大河時代ファンタジー、第二部堂々開幕!(解説・青木千恵)
本巻では2巻〜4巻にかけて次第に影が薄くなっていった(様に思える)妖魔について少し詳しくなる。今まで出ていなかった「五兎(ゴト)」とか「羽無()ハナシ」とかが(名前だけだが)登場し、「山幽」の歴史も語られる。こうした中で蒼太の潜在能力は現在妖魔最強とされる黒耀(種族は山幽らしい)に匹敵することが語られ、死んだはずの稲盛文四郎も別人の身体を乗っ取って生きているらしいことが語られ、恭一郎の使う八辻九生(作)の刀の持つ力とそれがまだ「真の持ち主」に巡り会って居ないことが示される。つまり340ページを超える分量をもって、以下の巻の予告編となっているわけだ。
(2023年12月27日読了)
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