花かるた

海食 

2023年12月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:旅行記

羽田空港で、危うく往路便に乗りそびれそうになる。
5日間の旅の始まりが、終わりになる所でした。

駆け込みセーフ!でも、私の席に知らない人が座って
いました。2人の女性はお喋りに夢中。私
「あーこの席ですが。。」空席と思ったのでしょうか。
着席途端 <皆さま只今当機のドアは閉まりました>
とアナウンスが。鳥取行きは満席です。

さて横並びのこの女性2人組ですが、喋る喋る喋る!
句読点なしで全部語り。最後はコロコロと自ら笑い
また続くそのお話はエンドレス。なんとも喧しい。

かくして、人々の様々な思いを乗せてANA293便は
定刻を5分遅れて舞い上がり、真っ白な雲に突入!


今回の旅の目的は、前回行けなかった放射能温泉と
毎回食べそびれた、新鮮な日本海の幸を今度こそ。

その前に、上空から見える美しい海岸線を間近で見て
見たいとの思いから、着陸後に真っすぐ向かったのは
浦富(うらどめ)海岸。ユネスコ世界ジオパーク認定。
山陰海岸ジオパークの中の網代港〜城原海岸間を結ぶ
「自然歩道探索路」へ

遊覧船もあるのだが、今シーズンはすでに終了なので
歩くことにしました。

バスを降りると「入口」と小さな案内立て看板があります。
入口から崖に沿ってジグザグに、丸太組の急な階段です。
景勝松島を冠しているが、ここは海も奇岩も荒削りです。

「松島や ああ松島や 松島や」これは松島のあまりの
美しさに句が読めなかった芭蕉であるとも、また
別人の句であるとも、言われている有名な句です。

「島々や千々にくだきて夏の海」こちらは正真芭蕉の句。
勝手に冬の海に入れ替えて、小島に荒波が砕け散る様を
眺めます。強風に身体ごと、飛ばされそうです。
1時間も歩くと、強い陽ざしが無防備な顔の皮膚を焼き始め
海風に髪の毛が逆立ちます。熊もビックリ山姥のよう?

素晴らしい景色なのにここ迄来ても、誰1人出会わない
不思議が、ようやく腑に落ちました。(自然)歩道という
よりも、果てなく続く一本道はどこまでも丸太の急階段。
もう少し、なだらかな遊歩道を想像していたのは
とても大きな誤算でした。この道は、厳しい山登りを
している様に辛く、やたらに咽喉が渇きます。

それでも歩みを止めて海を眺めれば、この奇妙な景観は
私の心をつかみ、誘惑してやみません。小浜に降りる階段
があればつい、イソイソと呼ばれたように、下りていって
しまいます。

絵心も、句を詠む才もない凡人は、ひたすら眺め
カメラに納め、この地の荒波と風雪に削り込まれた
海蝕という、どんな天才でも表現することはできない
自然美に慄くのでした。

この日スマホは、勝手に18,995歩を記録していました。
老体に鞭打って必死に歩きました。腰が抜けなくて
良かった。二枚目の集合写真は、これから4泊する宿坊と
近所の風景。どこかホッとする日本の優しい風景です。

翌日から雨、雪、の天気予報は見事に当たりました。



拍手する


この記事はコメントを受け付けておりません

PR





上部へ