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時の流れと隣人との距離感〜??白鶴亮翅 

2023年10月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:日々雑感

「月曜日も日曜日も違いのない生活を送ってると
一週間など指の間を流れ落ちる水のように去ってしまう。
週に一度太極拳の稽古があるのが唯一の救いで、
それがなければ私の生活は句読点のない文章のように
だらだら続いていくばかりだろう」

これは先日読み終えた多和田葉子の小説:
白鶴亮翅(はっかくりょうし)の中の一文。
家で仕事をする主人公の翻訳家の気持ちだが、
シニア層、リタイア組の気持ちも
代弁しているような気がした。

「白鶴亮翅」とは、太極拳24式の3番の形で、
白い鶴が羽を広げるポーズだ。それがラスト近くの
事件で痛快?に決まるのは、めちゃめちゃ気持ちいい。

離婚して、友達の「つて」で借りた新しいお家。
そこで太極拳に誘われ、新たに始まる隣人関係。
それから、それから?と気の合う友達と
他愛もなく話している感覚の物語だった。

どんな関係性でも、付き合い方でもこれ以上、
踏み込んだらいけないものがある。
付かず離れず、そのさじ加減をおもんばかる
優しさが小説の最後に残されていて、
これが等身大の多和田葉子の姿なのかと妄想〜

物語の場所がドイツなので、ドイツ語の話題も面白い。
ドイツ語で「カラスのお母さん」という表現は
子供を可愛がらない母親を表わし、
子を可愛がる童謡がある日本とは真反対。
また、「魔女の一撃」という言葉は、ぎっくり腰の事
魔女があなたの腰を一撃!経験のある方は想像を!

ところで、先日の水辺の美術館が在る松江までは
単線のローカル電車で行った。
単線とは、文字通り線路が一本だけしかなく、
上りと下りの列車のどちから一方は、片方がすれ違い
過ぎ去るまで、待っていなければいけない。

私たちの電車は止まった。
周りの乗客は別段、気にすることも無く
電車はおもむろにコットン、コットンと動き出す。
タイムロスなのか、ゆるっとした時間なのか。
一昔前の時代に戻ったようで、窓の外を見つめた。

進行方向と逆に座っていた私には、
ボートを漕ぐように、田舎の風景が過去へ過去へと
遠くへと過ぎ去っていく。
それはちょっと贅沢な時のような気がした。



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来音さんへ

ローランサンさん

おはようございます。らいおんさんのブログを読むと
お仕事がやっとひと息ついた感じですね。お疲れさまでした。どちらが良いのか。。というのは実感なのでしょう。句読点だらけ、言葉遣い等々と、
ひと息も付けないの365日エンドレス。お休みもないのは私にはお手上げ。

この小説の主人公の仕事は翻訳家。
一方、家で自分だけというのは、果てしなく、
さあ、どこでけじめを付けましょうか。
共感そのもの、これが私の実感です。

2023/10/09 05:56:50

どっちが良いのか...?

来音さん

会社に勤めていると、句読点どころか文末、言葉の使い方
(尊敬、謙譲、丁寧,,,)とチェック指摘の雨嵐。
間違いが分かった時は是正処置(修正と予防措置)。
息が詰まる日々を過ごしてます。どっちがよいのでしょうね?

神奈川県にも(東京にもありますね)単線の路線はありますね。
無人駅もあります。そういうところにたまに行くひとにとっては、結構新鮮だったりしますね。住人は別なのでしょうが...
#もっとも、車を使うのでしょうね。

2023/10/08 11:17:21

onさんへ

ローランサンさん

おはようございます。
仕事って本当に色んな意味で
人間には大切なものだと改めて気づきますよね。

何かしらのルーチンってとても大切で
そうなるとナビトモを知ったのは
私はよかったかなと思います。
この世で生きてる限り、やっぱり、色んな人と出会ってみたいと思いませんか?
ネットのゆるっとした関係でも楽しいですね。

それからシニアって人生を振り返りながら
出来なかったことを始めてみる方も多いですね。
TVニュースでしてました。

何に付けても行動力が無いといけないんですけど
onさんは、どこでもスイスイとさっと動けるでしょ?
それはかなり良い事なのでは?(^▽^)/
リタイアした後は、趣味、好きな事
やり遂げたかったこと〜夢かな?
そんな仕事以外にどれだけの興味をもっていたのか
その中から、自分の生活の句読点、
しっくりする感じを徐々に選んでいきましょうよ
お互いにね(^▽^)/

2023/10/07 06:12:28

TOSHI(トシ)さんへ

ローランサンさん

おはようございます。
最初、単線で特急なのに
待ち合わせをしなければならない地方線もあって
そのタイムロスにイライラしたことがあります。
しかし、ここは、この土地はそれで成り立っている。
皆、そのリズムで生きていると思うと
自分の考え方を変えなければダメかもねって
思ったことがあります。

都会にいると分刻みの生活、
電車もそんな感じですね。
地方と都会、今行き来しながらその都度
あれこれと考えますね。

ただ、単線って、いつもの待ち合わせ時間より
大幅に待ち時間が増える時があるんです。(笑)
相手の列車が遅れ、そうするとズルズルと。。。
かなり参っちゃう。
あ〜大阪の環状線の方がマシかなとか(笑)

白鶴亮翅(はっかくりょうし)〜色んな角度から
入っていけるお話です。色んな所から移民が入ってきてるドイツが物語の場所なので、
それぞれの国の背景があるから。

エッセーのようで?小説のようで?
面白くて最後まで辞めれられなかったわ(^▽^)/

2023/10/07 06:04:47

ホンマに…

onさん

リタイヤした後のぼくは
カメラ持って旅したり
散策に出たりする以外は
毎日ダラダラ…

どないかして
トキメキの毎日にしないと
なんて
時々思っています〜

2023/10/06 22:44:18

ローランサンさん

TOSHI(トシ)さん

こんばんわ。
白鶴亮翅(はっかくりょうし)読みたくなりました。

単線のローカルいいですよね。
ゆっくり時間がながれる感じで
景色、生物ゆっくり見れますね。

2023/10/06 21:42:46

ドロンさんへ

ローランサンさん

おはようございます。
「ばたでん」〜一畑電鉄ですね。
そんな言い方があるとは知らなかったです。
出雲大社に行く時に子供の頃乗りましたね。
懐かしいです。

松江温泉駅〜聞いたことありますけど、
今はもう無いんですね。
あそこは、古都として風情ある街に本当になりました。

ただね、急ぐ時に列車が遅れると参ってしまう。
待ち合わせの時間が長引くと、
ため息しか残らない時があります。
都会の電車に慣れていると、辛いわ(笑)

2023/10/06 07:29:45

ばたでん

ドロンさん

宍道湖の北側を走る「ばたでん」は時が止まったような風情がありますよね。映画にもなりました。
まだ松江温泉駅という駅名だったころの駅舎が懐かしいです。

2023/10/06 07:25:00

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