読書日記

『粋な色 野暮な色』 読書日記266 

2023年09月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記


坂井希久子『粋な色 野暮な色』文春文庫

<江戸のカラーコーディネーター>お彩が活躍する人気シリーズ! 天性の色彩感覚を持ち、色のことになると寝食忘れてしまう江戸っ子・お彩。 その才能に目をつけた、煮ても焼いても食えない京男・右近。という構成で始まった江戸彩り見立て帖シリーズの3冊目。
「濡れてののちは」「五色の縁」「色まさりけり」「粋な色 野暮な色」「色は思案の外」の5篇からなる。

裏表紙の内容案内では

右近に押し切られ、塚田屋で呉服の色見立てを始めたお彩。
妾腹の弟である右近を目の敵にしている塚田屋の主人は、
「新しい流行り色を作れ」と無理難題を出す。
お彩と右近は、気風のいい辰巳芸者の蔦吉に助けを求めようとするが、
けんもほろろな塩対応で取りつく島もない。
しかし、右近には何やら秘策があるようで……。

一方、近所の油店・香乃屋のお伊勢には、対照的な二人の婿候補が登場。
濃紺の小袖も粋な弥助は若い娘たちにも大人気。
一方、野暮天の文次郎は、野暮だとされる浅葱色が好きで、
娘たちに「浅葱色」と陰でこっそり呼ばれている始末。
はたして、恋の勝者は……?

とあるが、まあ恋の勝者は読まずとも判りそうな展開である。本巻は前巻の終わりで決まった特定の色を流行らせることができるか、という賭けに乗った(乗せられた)お彩と右近は「深川鼠」という色を流行らせようとする。が、うまく流行になるかと思われた時に三竹屋という店が似ているが異なる色を「深川鼠発症の店」として便乗する。その一幕は右近の機転と仕掛けで逃れられるが、賭けは持ちかけた刈安が「負けを認めない」という結末に。

それにしても、日本の伝統的な「色名」はカタカナの色名よりも風情を感じさせられるのはなぜだろう。
(2023年9月6日読了)



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