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読書日記
『ここだけのお金の使いかた』 読書日記234
2023年07月28日
テーマ:読書日記
アミの会編『ここだけのお金の使いかた』集英社文庫
毎年夏になると、新潮文庫の百冊、とか角川文庫のカドブンのようにおまけ(?)をつけて文庫を売ろうとする。その中にこの集英社文庫もあって今年の「ナツイチ」のおまけは「よまにゃ画面クリーナー」と言ってスマホの画面クリーナー兼しおりである。で、私はそのおまけに釣られて文庫を買う。
問題はいずれの企画にしろ、大まかに言って中・高校生に本に親しんで貰おうという狙いの為か、何度も選定された本が多い。結果、並ぶ本の1/2〜2/3は既読であり(特に新潮文庫に多い)、残りの1/3は興味を持てず、おまけを貰うのに苦労する。ということで、今年の集英社文庫では本書しか読みたいと思える本がなかったのであった(もっとも少し後になってピートたけしの新刊小説も対象だとわかり購入した)。
さて、内容紹介
給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は、1円だって払えません! 誰しも余裕のない時代だからこそ、何にいくら使うかで人生はきっと変わるはず。ゲーム課金はいくらまで? 百万円の宝くじが当たったら夫に言う? どうすれば働かずに生きていける? 7名の人気作家が「お金」にまつわる悲喜こもごもを描く、短篇小説アンソロジー。
7人の作家は掲載順に(内容は書かない)
新津きよみ『百万円分の無駄』
原田ひ香『一生遊んで暮らせる方法』
大崎梢『12万円わんこ』
永嶋恵美『廃課金塀は買物依存症の夢を見るか?』
福田和代『わらしべ長者のつくりかた』
図子慧『塾に行かないこどものための五つのクリンプス』
松村比呂美『二千万円の差額』
という、それぞれ40〜50ページほどの短篇。
で、アミの会(仮)というのは、女性作家の集まりで、会の目的は、アンソロジーを出すこと、そしてたまに集まってお茶を飲んだり、ごはんを食べたり(そしてお酒を飲んだり)することです(アミの会による最初のアンソロジー『捨てる』の近藤史恵によるあとがきより抜粋。今は会の名称から(仮)が取れている)。同人は当初は9人ではじまったらしいが今はもう少し人数が増えているということだ。
以上に書いたこととは別であるが、私は案外にアンソロジーが好きである。編まれている作家が既知の人であれ、未知の人であれ、編者による意図のもとに集められた短篇集は面白い。特に未知の作家については、その作家を読むきっかけとなる場合が多い。
(2023年7月9日読了)
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