読書日記

『乱麻』 <旧>読書日記1409 

2023年07月21日 ナビトモブログ記事
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上田秀人『乱麻』講談社文庫

百万石の留守居役シリーズの16冊目。

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加賀百万石の筆頭宿老・本多政長は将軍・徳川綱吉に謁見したあともなお、江戸に留まる。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋を引く重鎮である政長が、国許に戻らないため各藩の留守居役が加賀の若き留守居役・瀬能数馬に接触をしてくる。宿老不在の加賀では、越前福井松平家の国家老次席が訪れ、藩主の綱昌がかつて数馬に書かされた「詫び状」の返還を要求したのに対し、政長の息子である主殿は妙手を打つ。江戸城内、幕閣では、無役の名門・酒井家の処遇が取り上げられ、滞留中の政長と数馬にも影響が及ぶ。本多家に敵対してきた老中・大久保加賀守は代々の遺恨を晴らすために、配下に密かに命令を出す。加賀の前田家では、主殿が、裏でうごめく一党のいぶり出しを図る。

ということになるのであるけれど(このようにまとめる編集者はすごいと感心する)、ここ数巻に渡り続いているように、今回も主人公であるはずの瀬能数馬は脇役に留まり、岳父となる本田政長を中心として話は回る。

著者は平行していくつものシリーズを書いているためであろうか「面白いけれど(全体の)話の進展が見えない」という状況が色濃くなっている。特に本シリーズがそうで、そろそろ何らかの結論を出してシリーズを閉じるべき時が近づいているのかもしれない。
(2021年1月2日読了)

(注)その後、このシリーズは2021年6月刊の『要訣 百万石の留守居役(十七)』で幕を閉じた。



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