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読書日記
『中国人が日本を買う理由』 読書日記229
2023年07月18日
テーマ:読書日記
中島恵『中国人が日本を買う理由』日経プレミアシリーズ
我が国は外国人が土地を買う=所有することに対して制限は無い(と思う)。そして近頃は中国人が日本の土地やマンション(1棟まるごと)など買いまくっているという報道もあり、外国人、特に中国国籍の人が土地を買うことに警鐘を鳴らす人も少なくはない。曰く、「水源地に近い土地を買い占めて日本の水を支配しようとしている」とか、「自衛隊基地の周辺に土地を買っていて、国防上の問題ではないか」などという声も聞こえる。
ま、それらは私に言わせれば、ためにする議論であってナンセンスなのであるけれど・・著者は多くの中国人にインタビューをし、その土地購入についても深く探求して本書を上梓している。この本はある種の現代中国文化論でもあり、外国人(中国人)から見た日本の実態のレポートでもある。
内容紹介では
多くの中国人の声から論じる、まったく新しい「日本論」!
高成長が曲がり角を迎え、コロナ禍以降は社会に息苦しさも感じる――。
ここ数年、中国人が母国を見る目が変わりつつある。統制が厳しくなる一方の社会、格差が広がり先行きの暮らしにも大きな不安を感じる。
そして彼らは日本に目を向ける。食事、教育、文化、ビジネス、社会……。距離的に近く、安心・安全、そして何よりコスパのいい国にどれだけの魅力を感じるのか。
豊富な取材により、多くの中国の人々の声から浮かび上がる、新しい日本論が誕生しました。
【目次】
プロローグ 富裕層が日本に移住する理由
第1章 安心できる国、不安になる国
第2章 留学、起業、そして……彼らが日本を選ぶ理由
第3章 日本のビルは、上海のマンション1室の価格
第4章 中国人を悩ます母国のモーレツ主義
第5章 「日本式おもてなし」の危機
第6章 日本人が知らない、日本文化の底力
エピローグ 豊かになった中国人は幸せか
金持ちになった中国人が日本の不動産を爆買いする、という構図は多分にセンセーショナルであるが、中国人が日本の何を価値と見て買うのか、日本の何に魅力を感じているのか、を日本人が知る必要があるのではないだろうか。この本で明らかになることは、法治国家では無い中国、中国経済はまだまだ底が浅く付け焼き刃であること、などの現状の中国の実態である。
こうした実情を知った上で、我が国の真の問題点は何か、それをどう改善していくかを考えるべきであろう、と私は思った。同時に、イザと言う時に発揮される日本及び日本人の頑健さ思えば外国人の土地購入に関してもたいした問題では無いと考えている。
(2023年6月27日読了)
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