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読書日記
『なんのために学ぶのか』 <旧>読書日記1398
2023年06月23日
テーマ:<旧>読書日記
池上彰『なんのために学ぶのか』SB新書
職を辞め年金生活に入ってから、改めて「学ぶことの意味」「教養とは何か」について考えている。私にとって学ぶこととの必要性とその結果としての教養は自明的に必要であり当たり前のことだと感じているのであるが、それ(学びや教養)をまったく受け入れられないような人に説明するには「自明」と言うのは物足りず、教養の功利性を語っても意味が無いと切り捨てられそうで、より適切な言葉を求めている。
本書は基本的に大学生を対象とした本であるが、参考になるかと思ってついフラフラと購入してしまった。が、しかし、結局のところ「教養という一見余計なものも、長い人生のうちには役に立つ」ということを著者の経験を基にして説いているようにしか思えなかった。
どう言えば良いか…たとえて言えば、金属としての金(キン)は現代においても歴史的にみても多くの人から価値ある物として、取り扱われるのは何故か?という問いに対して、それは金が価値ある物だからと答えるような感じなのである。読み方を変えて金はカネとして長い間使われてきたから、というのも金が価値あるものである理由では無いだろう。「学び」や「教養」も同じでそれを価値あるものと思っている人にしか通用しない価値であるのかも知れない、という疑問を解消するには至らなかった。
ただ、学びは人間の生物としての特性(生理的早産)とその可塑性から「人は学びながら生きる」とは言えそうであるが、その学びの蓄積としての教養はどうであろうか。教養と知識は同じでは無い。教養とは問題解決能力である、という考え方が有力なものとして今の私にはあるけれども「教養とは何か」を問うこと自体は本読書日記の目的では無いので、これ以上の深追いは止めよう[自粛する]。
(2020年12月2日読了)
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