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読書日記
『なんとめでたいご臨終』 読書日記216
2023年06月20日
テーマ:読書日記
小笠原文雄『なんとめでたいご臨終』小学館(図書館)
著者は1948年岐阜県生まれ。名古屋大学医学部を卒業。同大学第二内科勤務などを経て1989年小笠原内科開業。在宅医として「在宅ホスピス緩和ケア」を行っており、多くの患者をみとる。在宅医療でみとった患者さんは約1900人、うち一人暮らしの患者さんは120人を超えている。
本書自体は2017年に出版され、内容は
はじめに
第1章 家なら最期まで好きなことをして過ごせる
第2章 余命宣告をくつがえす患者さんたち
第3章 ひとり暮らしでも、お金がなくても、大丈夫
第4章 看取った直後に、家族が笑顔でピース
第5章 在宅医療に失敗ってないの?
第6章 いのちの輝き
あとがき
とあり、45例の症例が記録されている。
著者は「死が苦しく、悲しいものばかりであってはいけない」と言う信念を持ち「在宅ホスピス緩和ケア」の真実を伝えたいということから筆を執って書いたのがこの本である。
これを読むと、自分の末期の時を病院で迎えてはいけない、という思いにさせられる。
なぜなら、「患者の死は病院にとって、敗北である。」「1分1秒でも生き続けさせるのが病院の義務」である、と多くの医師が考えており、患者にとっては苦しい延命治療を(患者の家族などの希望もあって)行うからである。
死ぬ当人よりもそれを看取る家族の方により覚悟が求められるということも判った。
そして、本書中(p196)に出てくる以下の「旅立ちの日が近づいたサイン」は看取りを行うすべての人が知っているべき経過であろう。
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旅立ちの日が近づいたサイン
自宅ホスピス漢和ケアがうまくいくと、下記の様な経過でゆっくりと穏やかに旅立たれる方が多いことがわかりました。心の準備ができれば、本人もご家族も、落ち着いて最期の時を迎えられます。あくまでひとつの目安ですが参考にしてください。
@14日前…食べられなくなる。
A7日前…飲み込めなくなる・歩けなくなる・
意識がボーッとする・眠る時間が長くなる
B6日前…幻視・幻聴がおこる・意味不明な言動をとる(せん妄)
C5日前…呼吸が不規則になり、ゼイゼイする
D4日前…尿が出なくなる
E3日前…会話ができなくなる・這いずることもできなくなる
F2日前…呼びかけに反応しなくなる
G1日前…死臭(テツが錆びたような血の匂い)がする
H半日前…手足が冷たくなり、紫色になる・血圧が下がる
I旅立ちの日…呼吸が止まる・全身が冷たくなる
※個人差はありますが、これは私が経験した在宅ひとり死の自然な経過です。心配な時は訪問看護師と相談しながら、いのちを見守りましょう。
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(2023年6月5日読了)
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