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敏洋’s 昭和の恋物語り

ポエム・ポエム・ポエム 黎明編 (Oh God!) 

2023年05月30日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



おお 神よ!
わたしはこれまで 十七年間というもの――あなたにとっては 短い時でありましょうが――あなたを毛ほどにも 恨めしく思ったことはありません
が 今日というきょうは どうしても恨みに思わずにはいられないのです
とぼけないでください!この間のハガキといい この手紙といい 一体あなたは……ぼくを どうしたいのですか?
ああ 神よ!
わたしは決して 他人を恨みに思いつづけたことはありませんええ これまでいち度だって……すべて 己の不徳のゆえにと おのれを責めつづけてきました
しかし今回の仕打ちは あんまりです……
あなたの愛を 期待してはいけないのですか?あなたの愛を 欲してはいけないのですか?
アダムとイヴは 禁断の実を食したがために……あなたに 見捨てられた? …… 
そして、いま、楽園を追放されるのでしょうか このぼくも
ああ ジュリエット!
どうしてわたしは この現代に生まれでてしまったのか……中世の貴族社会に生まれたからこそわたしはあれ程に 燃えたのだ
いまの世では 軽佻浮薄のこの世ではいまの世では 階級社会でもないこの世ではなんであれ程に 燃えられようか
おお ジュリエット!
なにか こたえておくれ しめしておくれ
                                        =背景と解説=                       なんのことだか、まるでお分かりにならないと思いますがね、実はこの当時、文通をしていたのです。瞬時に届き合うラインとは違い、手紙です。時間差が、大きなタイムラグが、あるのです。ちょっとした誤解でもあれば、それはもう大変なことです。誤解を解くためには、最低でも三日いや四日はいるかな? その間、どれほどにいらつくことか。電話? 携帯電話はもちろんありませんよ。公衆電話からかけたとしても、当人がはじめに出ることは、まずありません。電話の先は、父親です。せいぜいが、母親です(滅多にありませんが)。とにかく、大変な事態に陥ってしまうわけです。そんな折の心情です。

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