読書日記

『大奥の奥』 読書日記169  

2023年03月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

今日は散策の日であったので朝の内にアップしたつもりで出かけたが、帰宅したら、アップを忘れていた。

鈴木由紀子『大奥の奥』新潮新書(図書館)

2006年に出版されたノンフィクション。その1年前にも『大奥』という本を出版しているからその続編になるのかもしれないが、『大奥』は未読なのでなんとも言えない。

大奥と言えば「女性だけの場」であり、男はごく限られたものしか入れない場所(なんだか最近は性を逆転させた設定のTVドラマがあるらしいが・・)というイメージであるが図書館でこの本を見つけ、少し中に目を通してみると本書の冒頭では

幕府の命運ももはや風前のともしびと化した慶応元(一八六五)年四月二十五日、近江国堅田村の庄屋(といっても百姓ではなく、貸船業を営む町人)錦織五兵衛と連れの三人は、高野平八という老人の案内で、江戸城の西丸と二丸を見物に出かけた。
と、始まり、なんと驚くべきことにこの5人は「七つ口から(おそらく二丸の)大奥に入っていった。」とあり、さらに
「ある部屋の障子を高野老人が押し開いて中に入ると、そこには二人の老女(御年寄)がいた。高野老人が風呂敷に包んで携えてきた小釜を取りだしてさしあげると、五兵衛たちに御殿内を自由に拝見してよろしいと、許可を与えたというのだ。」

いやはや、驚くべき話であり、「大奥の奥」という題名から相当にディープな話が記されているのかと思って借り出してみたら、オーソドックスとも言える内容であり特に「奥の奥」的なものは無かった。

まえがき
序 章 大奥をのぞき見た人々
第一章 大奥の誕生
第二章 終身雇用のキャリアウーマン
第三章 大奥の暮らし
第四章 禁裏をまねる大奥ファッション
第五章 将軍の代替わり
第六章 伝説の大奥女中
終 章 徳川家存続に奔走した嫁姑

ただ、残念なことに時代順の記述では無く「いつの話」か判りにくかったし、「○○院」という似た様な固有名詞ばかりなので困った。巻末に「参考文献表」と並んで「歴代将軍正室・側室一覧」という表があり、どこかでこの表の存在に言及していてくれたら、もう少し判りやすかったかも、と思わされた。
(2023年3月9日読了)



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