読書日記

『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』 読書日記159 

2023年02月24日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

小林昌樹『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』皓星社(図書館)

この本は司書=レファレンスをする人のための専門書であり、How To本である。司書の他にも向いていると思われるのは自分で調べ物をする職業の人や趣味人などにも向いている(と「はじめに」で著者が書いている)。また、「ただ検索しただけで求めるものに手が届くとは限らない」と気づいた人に向けての本である。
なお、初出は皓星社(コウセイシャ)のメルマガでの連載で、まずは「はじめに」を詳解し続いて全体の目次を写す。

はじめに の中にいくつかの項目がある。
「本書はどんな人に向くか」
「本書で使う言葉について」
・チップス(ティップス) ・レファレンス=参照 ・レファレンスとリサーチの違い
・NDL(国立国会図書館) ・DB(データベース)
「参照する相手」
・あたる相手が大切だ−−然るべき参照相手を探すには
・然るべき他者→本やDBといった工具(ツール)
・専門家は専門外のレファレンスができない
・レファレンスを専業とする仕事→司書
・レファ司書の強み−−学際、未知、その他
・とりあえずググればよくなったが・・・
・Googleにも使い方があろうかと

全体を読み終えて見ると本書がHow To本、それもレファレンスへの入り口に立った人向けのものであることが良く判るけれど、具体的なチップス(ティップス:技法)抜きで著者の言いたいことがこの「はじめに」に凝縮されている。以下のことがらを整理して見るとこうなる、という性格付けの部分であり、全体を書いたあとのまとめである。

<全体目次>
はじめに
第1講 「ググる」ことで、我々がやっていること
第2講 答えを出す手間ヒマを事前に予測する
第3講 現に今、仕えるネット情報源の置き場
第4講 ネット上で確からしい人物情報を拾うワザ
第5講 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ
第6講 明治期からの新聞記事を「合理的に」ざっとしらべる方法
第7講 その調べ物に最適の雑誌記事索引を選ぶには
第8講 索引などの見出し語排列でオトシアナを避ける
第9講 Googleブックスの本当の使い方
第10講 NDL次世代デジタルライブラリーは「使える」
第11講 「として法」−−目的外利用こそ玄人への道
第12講 答えから引く方法
第13講 パスファインダー(調べ方案内)の見つけ方
第14講 レファ協DBの読み方
同じ魔法が使えるようになるために  後書きに代えて
コラム目次(A〜Gまで7つあるが割愛)

本書を読むに当たってはPC(での検索など)とともに読んで欲しいとある。ただし、本書中には参照先としてのURLの記載は無い(書かれたURLをいちいちPCに打ち込む人はまずいないから、そして、URLはすぐに変わるから)。まあ、ググればすぐに判ることでもある。ここに上がっているのはレファレンスの具体的な技法であり、名前がなかったものに名付けして「見える化」したものも多い。

読後感はまずここにあげられた有料DBに自由にアクセス出来る人はいいなぁ、であった。そして、DBを作る仕事というのはまさに「縁の下の力持ち」的な仕事だなぁ、と思い、自分のブックマークの数の多さと乱雑さはまさに「その他」分野をさらに分けてきたからだと理解した。
(2023年2月13日読了)



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