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読書日記
『意趣』 読書日記367
2024年05月04日
テーマ:読書日記
上田秀人『意趣』光文社文庫
久しぶりに出た「総目付臨検仕る」シリーズの第6巻であり、水城聡四郎シリーズとしては32冊目である。
amazonの内容紹介は割と長い。
将軍・徳川吉宗の命で、江戸城内で最強を誇る目付阪崎左兵衛尉を咎め、改易に追い込んだ惣目付の水城聡四郎。後に残った目付たちは、聡四郎の行為を横暴だとして、吉宗に聡四郎の解任と目付の復権、全権掌握を直訴をせんと企む。一方、聡四郎は、家士の大宮玄馬に道場を持たせることで頭を悩ませていた。仇敵で一時、愛娘を攫った元伊賀者組頭の藤川義右衛門が、再び目の前に現れた時、最後の戦いになろうと覚悟をしている聡四郎にとって、弟弟子であり家士である大宮玄馬の家は水城家のまさに支城となるからだった。一方、弟子の愛娘・紬を攫った憎き敵の藤川義右衛門を追っていた聡四郎の剣の師匠・入江無手斎はついに尾張についた。そこで、仇敵藤川を誘き出すために、とんでもない「荒業」を使うことになる。それは道場破り。藤川義右衛門を誘き出し、なんとしても斃したい一念の無手斎だったが、無手斎の強さに怯える藤川義右衛門は、無手斎から逃れるあくどい「仕掛け」を仕込んだ。江戸では、またも新たな刺客が放たれ、またも窮地に陥れられる水城聡四郎。物語の展開にワクワク感が半端なく、内容充実、一気読み必至の超人気シリーズ、待望の第六弾。
この本の発売は4月10日であったが、「一気読み必至」という触れ込み通り、私は発売当日に購入・読了した。一読しての感想は「いつもに増して中味が濃い」というもので、目付の活動と吉宗の意、名古屋における入江無手斎の道場破りとそれに対する藤川義右衛門の策、そして聡四郎に対するいくつかの襲撃の試みと陰謀など、ほとんどすべては次巻待ちではあるが、従来であれば2つぐらいの動きを背景説明とともに叙述するところである。
少しずつではあるが巻と巻の出版間隔が開いてきているので次巻も期待できるかも知れない。
(2024年4月10日読了)
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