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国立演芸場8月中席6日目(書き直し版) 

2022年08月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

コロナ禍の前は、平均すると週一回の頻度で、隼町にある国立劇場か国立演芸場で古典芸能を楽しんでいた。
感染が拡大し始めた一昨年の春、1ヶ月ほど休演したが、その後は対策を施して再開した。
当初は座席数を減らした公演だったが、チケットを発売してから何度も中止になった。
今は全席を発売して中止も無くなったが、隼町通いは自重して、月一回を目途に大概は国立演芸場の上席か中席を見ている。

桂歌丸は、20年もの間、国立演芸場8月中席のトリを務め、圓朝作品の長講を恒例にしていた。
今年の7月で没後5年目に入ったが、三遊亭円楽がトリを引き継いでいる。
ところが、彼は半年前に脳梗塞で倒れ、今はリハビリ中なので、7月6日に8月中席のチケットを発売開始したときは、出演者に名前が無かった。(詳細は後日)
少し迷ったが、歌丸の一番弟子である、桂歌春がトリを務める6日目を見ることにした。

■神田松麻呂(前座/講談)
神田松鯉(人間国宝)の弟子であるが、見るのは初めてである。
入門して5年目なので、二ツ目に昇進するのは近いかもしれない。
「谷風の情け相撲」は、落語でもお馴染みだが、前座とは思えない上手さだった。

■桂竹千代(二ツ目/落語・以下同様)
桂竹丸の弟子で、初めて見るが、何となく芸風が師匠に似ていると感じた。
一般に師匠は、弟子に落語家の心構えを教えるが、芸風は必ずしも似ているとは限らない。
「平林」は、子供の頃にラジオでよく聞いた噺なので、落語が好きだった当時を思い出しながら竹千代の口演を楽しんだ。

■三遊亭遊吉(真打/以下同様)
笑点でお馴染みの小遊三の弟弟子で、芸歴40年ではあるが、落語界では中堅なのだろう。
今の時季に相応しい「青菜」を、テンポ良く口演した。
非常に面白かったが、こういう演じ方もあると思わせる独自の芸風だった。

■三遊亭笑遊
本人もマクラで触れていたが、遊吉と風貌だけでなく芸風も似ている。
笑遊が兄で遊吉は弟と言っても通用するほどだが、二人の一門は異なる。
今までに見て来た「野ざらし」の中で、最も賑やかに口演する噺家だった。

■三遊亭萬橘
芸風は全く異なるが、マクラが面白く、亡くなった三遊亭小三治(人間国宝)を彷彿させた。
長いマクラと、短い「紀州」の一体感は絶妙だった。
涙が出るほど、笑わせて貰った。

■桂歌助
歌丸の二番弟子で、囲碁が好きな方なら、Eテレの「囲碁フォーカス」に出演していたから、良くご存じだろう。
元々は、教員を目指していたからなのか、現在、本業の他に学校寄席やカルチャー教室などで活躍している。
今回は、小学生にも向く「桃太郎」を口演した。

■桂歌春
マクラで、「『惣領弟子だから、そろそろ歌丸襲名を』という話もあるが・・・」と、控えめに触れていたが、襲名の布石のようにも聞こえた。
「紙入れ」という、間男の噺を高座に上げたが、今までに見た誰よりも色っぽく口演した。
客層を見極めての事だろうが、偶には艶笑落語(バレ噺)もいい。

(敬称略)                         

   *****

追記
三日前、傑作ブログと自称する原稿が、パソコンの操作ミスで一瞬にして消えた。
気を取り直して再び書いたが、傑作とは程遠い仕上がりになった。
「逃がした魚は大きい」の譬えの通り、元々、傑作ではなかったようだ。

写真
2022年8月19日(金)撮影:カーネーション(5月1日から我が家の一員)

御礼
「几帳面と神経質」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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