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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第二部〜 (二百二十二)
2022年04月21日
テーマ:テーマ無し
「さ、小夜子、お前、まさか!」 茂作の怒声が部屋にひびき渡った。まさかとは思いつつも、懐妊という二文字が頭の中で飛び回りはじめたのだ。「なに、考えてるの! ちがうわよ、ちがう!」 手を振りながらふるえ気味の声で打ち消した。武蔵もまた茂作の心配事に気付き「だと良いんですが、それはないでしょう」と、否定した。
ほっと安堵の表情を見せる茂作に、「おめでた、ということか?」と、繁蔵が小夜子の顔をのぞき込んだ。「だとしたら、めで、、」。「だから、ないんです」と、キッと睨み付けながら声をかぶせた。「おっと、いかんいかん。それではわたしはこれで。今日中に戻らなければならんのです。明日、約束があるものですから。小夜子は、泊まっていけ。二、三日ゆっくりしてから戻ってこい」 武蔵が身体を起こすと、「いや、一緒にかえる」と、その袖をつかんだ。
“冗談でしょ、あたし一人残ったらどんなことになるか。朝から、何だかんだとうわさ話のために、やってくるわよ。それで、あることないことが、あっという間に広まるんだから。明日の午後には、ふしだらな女だってってことになるわよ。ああ、いやだいやだ!” つい先ほどの優しい小夜子の声かけが、空しく茂作に響く。「分かった、分かった。今日はええ」 俯いたまま、手を振って「いね、去ね」と絞り出した。
“正三の馬鹿たれが。あいつが小夜子をつかまえておれば、こんなことを言うことはないはず。むかしのやさしい小夜子でいてくれるものを。まったく役に立たぬ男じゃ” 武蔵と正三を比べてしまう茂作だったが、“良い婿を見つけてきてくれたものじゃ”と、繁蔵には何よりのことだった。武蔵の財力を当てにしてのことなのだが、今日の繁蔵に対する態度が気にならないわけではなかった。ヤミ市からの成り上がり方を聞くと、利にさとい男なのだからという望みを持たないわけでもなかった。“今日は、ただ単に茂作を立てただけ”
来年の春には村長選がひかえている。現村長にはさしたる失態もないのだが、「もういい加減に引退してもらわにゃ」「二期というのが慣例じゃし」という声がチラホラと飛んでいる。本来なら「助役さんに」ということになるのだが、押しの弱い助役には現村長を押しのけてもという気概がない。それどころか、「来期は引退してもらうから」と、現村長に通告されてしまった。反旗を翻したつもりはないのだが、機先を制されてしまった。その話を聞きつけた繁蔵が、「あんたには続けてもらうから」と声をかけられたのだ。
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