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◆邂逅の森◆ 

2021年10月12日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

邂逅の森 (文春文庫)作者: 熊谷 達也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/12メディア: 文庫秋田の貧しい小作農の次男・松橋富治は、同じ村に生まれた男が殆どそうであるように、気が付いたら、マタギになっていた。それ以外の職業は選びようがない環境だった。しかし彼は、地主の娘・文枝と激しい恋に落ちた事で、文枝の父を怒らせ、鉱山へと追いやられてしまう。鉱山での仕事もそれなりにこなし、リーダー格にまでなった富治だが、あるきっかけから、山に入り、血が騒ぐ。マタギに戻りたい。自分の天職はマタギしかない、と・・・。昨年、立て続けに、マタギを主人公にした映画を観ておりましたら、ブログのお友達、NO14Ruggermanさんから、この「邂逅の森」をお薦めいただき、図書館で借りてきました。何という力強い小説。圧倒され、心揺さぶられる。お薦めいただいたから、という事ではなく、本当に素晴らしい内容に、感動を覚えた。自然への畏怖。獣を殺す事を生業とする中で、山の神の存在を信じ、厳しい掟を守っているマタギたち。ラストの、富治と大熊との対峙の場面は、圧巻。そこには勝ちも負けもない、マタギ対山の「ヌシ」との壮絶な闘いが描かれる。富治。なんて男らしい男。彼の男らしさは、マタギをしている時でなく、むしろ、鉱山で働いている時や、里にいる時にこそ発揮されていると、私には感じられた。彼は、女や、自分の部下に、決して尊大な態度を取ったりはしない。この時代に、それはとても珍しい事だったのではないか、と思う。ふんぞり返る事が強さではないと、意識はしていないだろうが、彼はそれを体現している。それから、忘れてはならないのは、彼の人生に深く関わる、二人の女、文枝とイクの存在。読んだかたは分かると思うけれど、富治が軽い気持ちで、文枝にある提案をした時、文枝の、「あなたとイクさんの近くにいると、嫉妬で気が狂ってしまう」という一言は、溜息とともに、大きく肯いてしまった。富治。男らしいことにかけては、天下一品だけど、女の気持ちはまるで分っていない。

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