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吾喰楽家の食卓

柳亭小痴楽 

2019年11月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立演芸場の11月中席は、落語芸術協会(以下芸協)の真打昇進披露公演である。
昨日、その8日目を見た。
落語協会(以下落協)は、上席で四人の新真打を披露したが、芸協は一人だけ。
かつて、落協では5代目圓楽一門や立川流の噺家が脱退しているが、それでも、芸協の二倍近い噺家が在籍している。
とはいえ、芸協の新真打が柳亭小痴楽だけなのは、たまたまで、来春は複数の真打が誕生するはずだ。

小痴楽は、テレビでも活躍しているから、若手噺家の中では知名度が高い。
国立演芸場で、年に一回程度の頻度で見てきた。
良く言えばテンポはよいのだが、反面、噺に重みに欠ける印象がある。
チケットの発売開始日は、さほど混んでいなく、良い席が取れた。
その後の売れ行きが良かったらしく、昨日は「満員御礼」の立て看板が出た。

痴楽と言えば、「破壊し尽くされた顔の持ち主」のキャッチフレーズで、活躍した噺家を思い出す。
それは、4代目のことである。
子供の頃、『痴楽綴方教室』や『恋の山手線』を、ラジオでよく聞いていた。
4代目痴楽の弟子である、5代目痴楽の次男が小痴楽だ。
色々な経緯を経て、現在、父親の弟弟子の楽輔門下で真打に昇進した。

口上では、最初の師匠である桂文治、現師匠の柳亭楽輔、父親の同年代である桂米助と三遊亭小遊三が顔を揃えた。
何れも、父親と関係が深かった噺家ばかりで、5代目痴楽の人望が想像できた。
口上の後、文治『親子酒』、楽輔『痴楽伝説』、色物に続き、トリで小痴楽が『付き馬』を高座に上げた。
持ち時間を超える熱演で、結構、楽しめたが、テンポが速いからか、疲れが残った。
経験を重ねることで、令和を代表する噺家の一人になる素質は、落協を含め新真打の中で一番かも知れない。

   *****

写真
11月18日(月)の国立演芸場(玄関・演題)



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