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敏洋’s 昭和の恋物語り
せからしか! (二)
2019年10月29日
テーマ:テーマ無し
大勢の人をかき分けながら「どいて、どいて!」と大声で叫びながら駆けていた。
血まみれになって腕の中でぐったりとしている私を見た通行人は、皆一様に顔をしかめて蜘蛛の子を散らすように離れた。
母を知る人たちが「どうしたの、なにがあったの」と声をかけているが、勿論母が答えるはずもない。
ただただ走り抜けるだけだ。
四つ角から出て来る自転車やら車やらに、時に当たりそうになるが、「どいて、どいて!」と叫んで走り抜けていく。
後ろから急ブレーキの音が追いかけてくる。
電話が入っていたのだろう、病院の入り口では医師やら複数の看護婦たちが待ち構えていた。
私をストレッチャーに乗せ替えると「大丈夫ですよ、もう」と、婦長が母に声をかけていた。
知己の婦長に対して母が「お願いします、お願いします」と何度も手を合わせる姿は「親の鏡だ」と、その待合室に居た患者たちの間で評判になった。
それ以来私は、超常現象を体現するようになった。
就寝時に布団に入ると、空を飛ぶ自分に出会っている。
たくさんの電線をよけながら、ぐんぐんと上空に向かっていく。
キラキラと光る星々に向かって上昇していく。
冷たい冬空のときなど、電線に出現した雪ひも等がキラキラと月明かりに反射して美しいものだ。
電波塔も雪化粧をして幽玄な世界に誘い込んでくれる。
零下の気温であるにも関わらず、まるで寒くはない。
暖かいベールのようなもが身体を包んでいて、下界の寒さやらを遮断してくれている。
そう言えば、音も聞こえないし、匂いもない。
ひょっとして、あの世への道程はこのようなものかもしれない。
天使なりあるいは死に神かもしれないが、道先案内人がそのときには付いてくれるのだろう。
ある時、山の斜面から滑降しているときだった。
大きな飛行機が市街地に向かって降りていく場面に出くわした。
何やらせまい幅の中を降りていくように感じられて、どうしてか私も併走していた。
灯りの点いたビル群が見え始めて、パイロットたちの会話が耳に飛び込んできた。
「さあ、難関地だぞ。下げすぎてもいけないし、下げなければ滑走路を飛び越して海にドボンだ」
「大丈夫、大丈夫。機長なら、お手のものでしょう」
何かの映画を観た折に、香港の空港に酷似していることに気がつき、驚愕したものだ。
誰かに言おうかとも思ったが、また笑いものにされそうな気がして、自分の中にしまい込んだ。
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