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パトラッシュが駆ける!

女の涙 

2019年09月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

人生を振り返り、幸いだったと思うことが、幾つかある。
娘を二人授かったのも、その一つ。
そんなことで、大喜びするかい?と言われそうだ。
小人物と笑わば笑え。
私は、この手で子供を育て上げるほどの喜びは、ないと思っている。

彼女らが幼い頃、その寝顔を見ながら思った。
万が一、この子らに危難が迫ったその時は、
例えそこが火の海でも、水の中でも、
私は必ずや飛び込まねばならないと。
親とは、そう言うものだと思った。
いや、今でも思っている。
相手が孫に代っただけ。
この命が役立つなら、子や孫の命に替え、
惜しくないと思っている。
賞味期限はとうに切れ、消費期限さえ迫りつつある、
そんな命だから「そりゃ、そうでしょ」と
これも笑われかねないけれど。

昨年三月、東京目黒区において、五歳の幼女が、
虐待を受けた上に殺された。
殺したのは、義理の父親であった。
母親もまた、保護責任者遺棄の罪に問われている。
その裁判の場で、母親が陳述している。
「夫から報復されるのが怖く、通報できませんでした」と。

何ともはや、やりきれない。
虐待を重ね、死に至らしめた、義父がもちろん悪い。
一方で母親にも、同情の余地がない。
すがるべき母親から、見放された幼女の心中は、
いかばかりであったろう。
裁判の場で、母親は「謝り続けるよりない」と言い、
涙を流したという。

「女の涙には嘘がある」
と言ったのは、将棋の升田九段(故人)であった。
女性の涙を一括りに、決め付けるのは乱暴だが、
思い当たる節もなくはない。
私は、女房に泣かれでもしたら、もう、どうして良いか、
分からなくなる。
あれはかなりの武器になる。

そんなわけで私は、今は被告である母親の涙を、
素直には受け止められないでいる。
親ならば、自分の命に代えても、子供を守るはずだ。
という私自身の思いが、彼女を見る目を、より厳しくさせている。

 * * *

幼児への虐待事件が、跡を絶たない。
その度に問題となるのが、児相、即ち児童相談所の役割だ。
被虐待児童の保護に関し、常に及び腰の感がある。
そりゃ、警察のような、強い権限はない。
それにしても、対処が常に、後手後手に回っている感がある。

私が思うに、その職員らの使命感が、いまいち希薄なのではあるまいか。
先走ってはいけない。
無難に対処する。
役所に横行する、事なかれ主義。
これが蔓延しているのではあるまいか。

無理からぬところもある。
警察官には、警官になりたい者が、使命感に燃え志願をする。
消防士もまた同じ。
看護師も、民生委員も、そしてケースワーカーも。

ところが児相の職員の場合は、なりたくてなったわけでは、
多分なかろう
役所内の人事異動により、勤務を命じられた一般職。
という側面が強いのではあるまいか。
即ち、プロ意識が薄い。
公務員の常として、積極的には仕事を増やしたくない。
その結果、児童の保護においても、
行動が後手後手に回るのではあるまいか。
地方自治体は、児相の、その組織の在り方を、
根本的に考え直した方がいい。

 * * *

私は今や、子供の泣き声に、敏感になっている。
路上で不審な声が聞こえたら、私は仕事の手を止め、
吹っ飛び出すようにしている。
仕事と言ったって、今の私は、客と碁を打つ、
それだけのことなのだが。

もしも散歩の途中で、同じ家から、度々子供の泣き声を聞くようなら……
私は、児相とやらに駆け込んで、直談判するであろう。
行ってみてくれよと。
それで埒が明かないなら、警察へ行くまでだ。
朝夕のウォーキングで、私は、忍者のように、
耳を澄まして歩いている。
しかし今のところ、そんな事例に行き当ったことはない。
幸いである。
私だって、好んで火中の栗を拾いたいわけではない。



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敏感に……

パトラッシュさん

みさきさん、
私は、不審な出来事に対し、無関心ではいけないと思っています。
誰かがやってくれるだろう……では、いけないのです。
でしゃばり爺と罵られても、私は、些細なことに、敏感で居たいと思います。

2019/09/07 16:38:33

辛いです

パトラッシュさん

四つ葉さん、
仰る通りです。
各関係機関の、主として人員面での、一層の拡充が求められます。

私は、幸薄く逝った幼女の顔がテレビに映ると、直視することが出来ず、ついチャンネルを替えてしまいます。
そうすると、その次の局も、同じニュースをやっていたりして……嗚呼

2019/09/07 16:35:25

可哀想です

みさきさん

幼い子供が虐待されたニュースは本当に心が痛みます。

パトラッシュさんのように心を配って下さる大人が増えると、一人の通報では腰の重い機関も通報の数が多ければ、より早く積極的に動いてくれるかもしれないと思います。

2019/09/07 14:29:44

かけがえのない命。

四つ葉さん

こんにちはパトラッシュさん〜。

私もこういう事件があるたびに切なくやり切れない思いです。かけがえのない命を守るべき親が子どもに虐待して亡くすのは許せないです。

パトラッシュさんが書いてある様に親はどんな時でも守るべきであり幼女も母親だけには好かれたいと思っていたと思うと切ない。

問題の家庭は児相と警察、保育士、地域の民生委員が互いに共有出来ていないのも問題。

児童相談所の専門職のケースワーカーや保育経験者などを沢山採用して子育て相談の窓口が広がる事を願いたいですね。

パトラッシュさんが耳を澄ませてパトロールウォーキングをしている様なので安心な地区ですね。(^^)

2019/09/07 10:37:01

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