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吾喰楽家の食卓

藍馬と蘭 

2019年07月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

三人の新真打の、落語を見たことが無いだけでなく、名前すら知らなかった。
誰の披露公演を見たらよいか判断できず、三人が一堂に会する金曜日の夜席を見ることにした。
三人を見比べた結果、再度、立川吉幸を見たいと思ったが、都合が就く九日は、三遊亭藍馬がトリを勤める日だった。
どうするか決まらないまま、チケットセンターへアクセスしたら、最前列の中央ブロックがポツンと一席だけ空いていた。
講談の神田蘭が出演することもあり、その席を取った。

講談師の蘭は、神田紅の弟子である。
昨年の五月、落語家の桂夏丸と共に真打に昇進した。
講談界で、トップクラスの美形だ(と思う)。
数ヶ月前の風流寄席で、鳳楽さんは、「蘭ちゃんから、『今度、私とやらない?』と、誘われた」と言って、鼻の下を長くした。
勿論、やるのは二人会(落語&講談)なのは、言うまでもない。

二ツ目に続き高座に上がった蘭は、講談に入る前に、藍馬との関係に触れた。
蘭は夏丸と同期だから、藍馬の一年先輩になる。
とはいえ、三年間、前座として、楽屋修行を共にした仲間だ。
男性が多い世界の中で、女同士の蘭と藍馬が、仲が良かったのは想像に難くない。
落語家の口上で、講談師が司会を勤めるのを初めて見たが、蘭がやるのは、藍馬の意向があったのかもしれない。

トリで高座に上がった藍馬は、夜席のときより落ち着いて見えた。
この公演で四回目の高座だから、当たり前かもしれない。
容姿や声は違うが、マクラでの笑いの取り方は、浮世節(三味線)の立花家橘之助を思わせた。
今回の『王子の狐』では、前回の『皿屋敷』と異なり、ギャル言葉が出なかったのは歓迎できた。
現在は“あら削り”だが、この先、経験を重ねることで、独特の芸風を持つ良い噺家になると期待している。

   *****

写真
7月9日(火)の昼餉と夕餉



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