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吾喰楽家の食卓

小雨の墓参り 

2019年07月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

霧雨が降る中を駅へ向かって歩いていると、前から大きな犬を連れた、同年代の男性が近づいて来た。
道を譲ろうと思った途端、その男性が先に車道へ出た。
車道といっても、私道と思しき道だから、滅多に車は来ない。
すれ違いざま、道を譲ってくれた礼と朝の挨拶を兼ねて会釈をしたら、その想いが通じたのか、丁寧なお辞儀を返してくれた。
気分が良い、一日のスタートだった。

わが家は、七月のお盆である。
東京や横浜は、七月にお盆をする家が多い。
阿佐ヶ谷の生家だと、菩提寺からお施餓鬼の日を指定して来る。
わが家の菩提寺は、朔日から十日までの毎日、「盂蘭盆施食会」の法要が行われ、都合のいい日に行けばよい。
義母と二人の義妹と、寺の休憩所で待ち合わた。

雨は家を出た時より、少し強くなっていたが、墓参りには差支えなかった。
むしろ、炎天下よりも楽だった。
墓参りを済ませてから、鶴見駅の西口にある中華料理店に入った。
二人の義妹とビールを飲みながら、楽しいひと時を過ごした。
妻が他界して間もなく丸十年が経つから、楽しい酒と言ってもバチは当たらないだろう。

鶴見までは、東武東上線、JR山手線、JR京浜東北線を利用した。
時間帯が良かったのか、全ての路線で座れた。
帰路の京浜東北線のことだが、隣席の女性が居眠りを始め、私の方にもたれかかった。
しばらくして急に軽くなったので、横目で見たら、僅かに口を動かし小さく会釈していた。
朝の男性と重なり、清々しい気持になった。

   *****

写真
7月7日(日)撮影:仏殿(黒い屋根)と太祖堂(鮮緑の屋根)



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