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吾喰楽家の食卓

遊三の『柳田格之進』 

2019年03月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

今月は中席を見ない予定だったのに、八日目に行ったのには訳がある。
麹町の蕎麦を、食べたくなったことも一因だ。
長年、歌丸師匠のヒザとして出演していた、桧山うめ吉(俗曲)を見たくなったこともある。
総合テレビの“ひるまえほっと”で、「か〜ん・た〜ん、ご・は・ん」と、僅か七秒だが、澄んだ声を聞かせてくれるから、ご存知の方が多いかも知れない。
一番の理由は、トリを勤める三遊亭遊三がネタ出しで、『柳田格之進』を口演するからだ。

初めて『柳田格之進』の実演を見たのは、風流寄席に於ける三遊亭鳳楽の口演である。
講談のネタを落語にした、人情噺だ。
以来、それが、最初で最後になっていた。
近年では、古今亭志ん生や二人の息子(馬生・志ん朝)が得意にしていた。
盗人の汚名を着せられた浪人が、再仕官が叶い、疑いも晴れる、ハッピーエンドの噺だ。
「善人ばかりが登場する、橋田ドラマのような落語」と、評した人が居る。

国立演芸場に張り出されている番組表に、中入りの後は、クイツキ・三遊亭遊吉(20分)、ヒザ・桧山うめ吉(15分)、トリ・三遊亭遊三(45分)となっていた。
通常、ここでは、トリの持ち時間は30分である。
今回、『柳田格之進』を口演することになった経緯を、短いマクラで触れた。
或る人から、「チャラチャラしたのばかりではなく、偶には骨のある噺を遣ったら」と、言われたそうだ
落語芸術協会で、桂米丸に続く序列の師匠に、そんなことを言えるのは誰だろうと考えたが、見当つかない。

格之進の娘が、吉原に身を落とし、金を工面すると申し出る場面が、一番の見せ場だった。
しかしながら、全体的には各所に滑舌の悪さがみられた。
とは言え、今回の意気込みは、大いに称賛したい。
落語芸術協会の看板、桂歌丸を失った危機感が、根底にあるのかも知れない。

あらすじ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E7%94%B0%E6%A0%BC%E4%B9%8B%E9%80%B2

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写真
3月18日(月)の昼餉(スタミナ冷そば)と国立演芸場



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