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パトラッシュが駆ける!

春を待つ 

2019年02月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

「こたつむり」という言葉がある。
俚言であろう、広辞苑には載っていない。
コタツとカタツムリを、合わせた語とされている。
コタツから出られない、怠惰な人……と言う意味であろう。
今の私が、正にこれだ。

書きたいことがある。
山ほどある。
ああ、それなのに、筆が進まない。
何処から書き出したらよいか、その糸口がつかめない。

仕方ない、もう少し想を練ろう。
コタツで横になり、心身をリラックスさせ、それから……
と思っているうちに、眠くなる。

なに、構うことはない。
夢うつつの中に、何か閃くこともある。
と思っているうちに、とうとう本格的に眠ってしまったようだ。
気が付いたら、外は薄暗くなっていた。
なんてことが、このところ続いている。

十歳の女児が、父親からの虐待を受けた末に、死んだ。
この寒空に、風呂場で水のシャワーをかけたという。
こうなると、もう拷問ではないか。
よほどの憎悪がなければ、こんな残酷は出来ない。
しかし現実に、我が子に対し、それをやった親が居る。
「お前は、人間の顔をした鬼だ。畜生だ」
痛罵してやりたい。
しかし、相手は拘置所の中に居る。

お前に出来るのは、何か?……
何もない。
私は極めて、無力な人間だ。
しかし、文を書くことくらいなら出来る。

昔、女子高生コンクリー詰め殺人事件の際は、
東京地方検察庁の担当検事宛に、手紙を書いた。
加害者への、厳罰を求めてである。
私も若かった。
向こう見ずのところがあった。
今はもう、その気力が萎えている。

ならば、新聞に投稿しようか……
想を練ってみる。
しかし、被害者への憐憫と、犯人である、
父親にたいする憎悪が入りまじり、とても冷静な文にならない。
悶々としたまま、時間だけが過ぎて行く。

 * * *

勤労統計調査の不正が明らかになった。
厚生労働省が、杜撰なことをやっていた。
大臣、責められるべきだ。
その偽りのデータを基にして、アベノミクスを自画自賛した、
総理大臣もだ。

それなのに、政治家も官僚も、のらりくらりと言い逃れる。
その様を見ていると、腹が立つ。
この憤懣を、文に書きたい。
しかし、上手く書けない。
つい、弾劾調になる。
これでは、新聞論調の引き写しではないか。
国会での、野党の追及と同じではないか。

目新しい、切り口がない。
だから、人様の心にも響かない。
こんな時にこそ、諧謔がほしい。
たっぷりと風刺を含んだ、ユーモアがほしい。
しかし、それを思い付かない。
むなしく時間だけが過ぎて行く。

 * * *

このところ、テレビを見ていない。
サッカーのアジアカップが終ってしまい、
この季節、他に見るべきものがない。
私の場合は……と言っておこう。
スキー、スケートなど、ウインタースポーツなら、
真っ盛りであるのだが。

この一週間ほど、テレビのコンセントが、
抜きっ放しになっている。
ニュースを見れば、いたいけな幼女の姿が映る。
嫌いな政治家の、臆面もない顔が出る。
それらの顔を見るのが、私には苦痛となっている。

こういう時は、気分転換が必要だ。
それには、旅に出るのがいい。
私には、自慢ではないが、この顔の利く宿が、
本州中部圏に三軒ある。
行けば、きっと、歓待してくれるであろう。

しかし、それも躊躇っている。
どの面下げて行けばいいか……ということがある。
悄然たる顔のジイサマが一人、降り敷く雪を衝き、一夜の宿を乞う。
それは、ある種の、不吉な物語を、連想させないだろうか。
例えば、うまい利殖話に乗せられ、
全財産をつぎ込んでしまった……
はたまた、性悪女に引っかかり、金を取られた上に、
悪い病気まで、伝染(うつ)されてしまった……
それで死地を求め……
などである。

皆様に、誤解を与えてはいけない。
春を待とう。
結論はこれだ。
かくして私は、再びコタツに沈むことになる。



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焦らずに

パトラッシュさん

yopikoさん、
人間、好不調の波があって、それで良いのだと思います。潮の満ち来るのを、待つ。これで良いと思います。
テレビのバラエティ番組、あれを見ていると、私はバカになりそうです。(今でもバカなのに……)

2019/02/18 06:04:29

観たい番組少なし

yopikoさん

パトさんと同じ気持ちだわと思いました

今、夫はBSの映画「八甲田山」観てます
私もよく「絵手紙かけない病」になります
でもドンマイですよね

2019/02/17 21:56:55

おねがい、たすけて

パトラッシュさん

彩々さん、
お宅は、イス式のコタツでしたね。
あれは、まだ良いのです。
うつらうつらくらいで、大きくは「寝くずれ」しませんから。
我が家のそれは、そもそも、木製ベッドの上に設置してあるのです。
コタツに入る、それは「寝る」のと同義語なのです。

来客がないと、私は寝てばかりいます。
お願いです、彩々さん、たまには表敬訪問……じゃなく、督励訪問においで下さい。
その間だけでも、私は緊張感を持って、生きることが出来るでしょう。

2019/02/17 14:57:37

思わず、、、

彩々さん

笑ってしまいました。

全く、私も同じ状況ですので(笑)

冬はイケマセン。

能天気な私は、気持ちは「前向き」なの

ですが、この季節の炬燵が、勝手な足抜きを

許してはくれません!

しょうが無いから、書きたい願望も、動き

たい行動力をも封印しております。


でも、もうすぐ春ですね。

ご一緒に炬燵生活と、縁を切りましょう!

2019/02/17 07:07:15

コタツから名作は生まれないようです

パトラッシュさん

漫歩さん、
今日もコタツから、出られないでいます。
入り過ぎで、顔がほてっています。(笑)

早く来い来い、春よ来い……
の心境です。

2019/02/16 15:44:21

苦肉の策です

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
スランプに陥った時の”作家の気分”を、経験しました。(笑)
なまじ上手く書こうとするから、いけないのです。
素直に思ったままを書きなさいと、人には言うくせに、自分ではそれが出来ないのですから、困ったものです。

一応、犯人に対する怒り、政治家に対する絶望感は書きました。
十分に、読者に伝わったとも思えません。
さらに、一層の努力を要するようです。

2019/02/16 15:39:54

季節の変わり目

漫歩さん

季節の変わり目は、大袈裟に言えば、乗り越えねばならない一つの試練ですね。

かの著名な杉並の文士をもスランプに落とし込む。
それでも今の世を厳しく見据えていらっしゃるのは流石です。

春炬燵に潜って風をひかないでください。

2019/02/16 11:04:20

さすが師匠ですね

シシーマニアさん

こういった文章は、さすが師匠ですね。

連載のエッセイで、今日は書くことが何も無い、だけで終始している文章も時折見かけて、さすがプロ、と思ったりしますが・・。

書くことは山ほどあるのに、糸口が掴めず文章にならず、こたつに潜り込んでいる、なんて。

何も書いていない、と仰りながら、師匠が意図なさる事は、全て読者に届いてくる。

やはり、師匠ですね。

2019/02/16 10:38:36

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