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吾喰楽家の食卓

吉右衛門と菊之助 

2018年12月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

今年度、国立劇場の歌舞伎は、十月・中村芝翫、十一月・中村梅玉、十二月・中村吉右衛門が、座頭を勤めている。
勿論、客の入りは日によって異なるが、吉右衛門、芝翫、梅玉の順に多いように感じる。
出演者の人気が一番の原因だろうが、演題も影響しているはずだ。
昨日、『増補双級巴』(ぞうほふたつどもえ) −石川五右衛門− の三日目を見た。
歌舞伎の演題は、読み方が難しい。
私には、“双級”を「ふたつ」とは、読めない。

パンフレットの「中村吉右衛門宙乗りにて つづら抜け相勤め申し候」に、興味を持った。
客席の上を、ワイヤーで吊り下げられて、演技をしながら、三階席に向かうのである。
数年前、尾上菊之助の宙乗りを見たことはあるが、今回は高齢の吉右衛門が遣るのだ。
詳細は省くが、スキー場のリフトで、花道の上を退場するようなイメージだった。
宙に浮くのは、スッポンの手前からだから、暗くてもその動きは良く見えた。
スポットライトで照らし出された光景は、二階席や三階席の方が、見応えはあるかも知れない。

菊之助も、素晴らしかった。
今回は義父の吉右衛門と、新春は実父の菊五郎と共演する。
改めて、恵まれた家柄を感じる。
歌舞伎を見始めた頃、若者や娘を演じた、菊之助の美貌に一目惚れした。
最近の立役と女形は、共に役柄の年代が上がり、年齢に相応しい美貌ではあるが、身の熟しや台詞回しに円熟を感じる。
今回、真柴筑前守久吉を、五右衛門役の吉右衛門を相手に、堂々と演じた。

吉右衛門は、大詰の立廻りで、元気な動きを見せてくれた。
舞台中央に大鳥居があり、普請中なのか、回りに足場が組んであった。
鳥居の前と足場の上で、大勢の捕手を相手に大立廻りをした。
歌舞伎の立廻りは、周囲が主役を盛り立ててくれるのではあるが、吉右衛門の動きも中々のものだった。
この場面も、宙乗りと同様、遠くの席から見た方が良いかも知れない。
今から、千穐楽が楽しみだ。

公演の様子
https://www.ntj.jac.go.jp/kabuki/news/12127.html

   *****

写真
12月5日(水)の昼餉と国立劇場玄関



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シシーマニアさん

吾喰楽さん

おはようございます。

あまり意識したことはありませんが、歌舞伎見物には、寿司などの和食が相応しいかも知れません。
オペラだと、ワインと洋食でしょうか。

師走に入り、あっという間に一週間が経ちました。
「良いお年をお迎えください」と挨拶をする日も、直ぐに遣って来ますね。

2018/12/07 06:11:33

最近は

シシーマニアさん

私の視線が、オペラに向いてしまって、ちょっと歌舞伎は遠のいています。

そして、お寿司もちょっとご無沙汰です。

やはり、お寿司には東京が似合うような気がします。

更に東京すら、ちょっと遠のいてしまっています。

東京の皆様には、良いお年をお迎え下さい、という気持ちです。

2018/12/06 21:53:30

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