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吾喰楽家の食卓

落語協会の真打昇進披露公演 

2018年11月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

毎回、国立演芸場へ着くと、先ずは玄関の脇にある案内板を見る。
代演の有無を確認する為だが、今回は変更が無かった。
もっとも、新真打の五人が、休演するはずはない。
トリは林家たこ蔵が勤めるが、単に最後に高座へ上がるだけである。
他の真打と同等の立場で、持ち時間は全員が20分だ。
新真打の他に噺家は、前座(10分)、二ツ目(10分)、真打(15分)が各一人ずつ、三人が出演する。
それぞれ、国立演芸場の通常公演よりも5分短くなる。
出演者数が多いから、色物は15分で変更は無いが、噺家の持ち時間で調整している。

新真打は、柳家小平太『棒鱈』、柳家勧之助『熊の皮』、古今亭駒子『泣き塩』、古今亭駒治『泣いた赤い電車』、林家たこ蔵『紙入れ』の順に口演した。
駒治だけは新作落語で、初めての噺だった。
古典ではあるが、『棒鱈』と『泣き塩』も、知らなかった。
何れの新真打も熱演したので、好みの問題もあるから、甲乙は付け難い。
その上で、敢えて印象に残った噺といえば、『紙入れ』だった。
今までに見た、どの『紙入れ』よりも、夜席だったからか、色っぽいものだった。
たこ蔵の芸は、粗削りの面もあるが、女性の演じ方が絶妙で、この先、大きな武器になるに違いない。
他の新真打も含め、今後の活躍を期待している。

ところで、夜が弱いのに、夜席を見る気になったのは、新真打が五人揃うことが一番の理由である。
また、口上を見たかったのも、その理由だ。
二年前の五月中席で、林家彦いちが五人の新真打が出演する口上を、一人で取り仕切ったのを見た。
たこ蔵の兄弟子である、たけ平が、真打になった年である。
落語協会の幹部と、新真打の師匠が同席しない口上は、ひと味違う。
若手噺家の日常を、垣間見ることができるのは面白い。
今回も彦いちに白羽の矢が立ったのは、評判が良いのかも知れない。
口上は、10分の予定が20分近くに伸びたが、終わる間際に粋な計らいをしてくれた。

進行役の彦いちは、この場に限りの前提で、写真撮影を許可してくれたのだ。
以前、許可がないのに、私の両隣の客が、口上の様子を撮り始め、不愉快な思いをしたことがある。
今回の客は、行儀が良かった。
そして、彦いちは、「時間が無いから急いで・・」と、楽屋へ声を掛けた。
噺家と思しき若い人が七人、カメラを持って舞台に出て来た。
上手側から二人目に、御徒町で何度か酒の席を共にした、たこ蔵の弟弟子である林家はな平(二ツ目)が居た。
高座に座っていた六人は、客席に背を向け、ポーズを取った。
その後、彦いちの音頭で三本締めて、口上の幕が下りた。

   *****

写真
11月9日(金)国立演芸場夜席の口上風景(左から/彦いち・駒次改メ駒治・さん若改メ小平太・花ん謝改メ勧之助・たこ平改メたこ蔵・ちよりん改メ駒子)

※はな平の撮った写真が、自身のブログに載っている。興味がある方は是非!
https://ameblo.jp/humbug1984/



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