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ほっこり
小話3題
2018年11月06日
テーマ:小咄
・小さな幸せ
朝日が昇りきらぬ、まだ薄暗いとき
なんの変哲も無い
ローム層のようなものが
薄明かりの中でうごめいていた
かさかさしてはれぼったい
小さな楕円形の物体
妖しい液を一面に塗り、広げる
粉を叩きつける
細筆でお絵書きし
小さな草を二つ四つと植えつける
仕上げは赤い塗料
「おはよう、○○さん、今日も綺麗だね!」
「ありがとう」
今日も薄暗い中での
特殊メイクに成功したと、喜びを感じる
・バー
その夜、俺は場末のBARに行った
JAZZを聴きながらグラスを傾けてみたかったのだ
カウンターに腰かけ、オンザロックを頼んだ
カウンターの端で女性が一人静かにグラスを傾けていた
先客は彼女だけだった
彼女は赤いグラスを手にして私に微笑んだ
「マスター、彼女に○○を1杯」
彼女の前に白いグラスがそっと置かれる
彼女はそれを手に取り静かにグラスに口をつけた
私はロックを3杯飲み
チェックをした
「彼女の分も一緒に頼む」
私は店を出た
彼女も静かについてきた
しばらく、離れて歩いた
そして、彼女が小走りに近づいて来て
「おとうさん、次から待ち合わせはスタバかコメダにしてくれない。あたし、お酒飲めないからトマトジュースとミルクしか飲めないじゃないのよ」
「すまないね。次回、会社の宴席であのバーを使うんだよ。若い奴らに俺がいかにもてるかを吹聴したくてね。お前にあのシーンを演出してもらった、ありがとう。出来る上司は外でも違うって思わせないと、今頃の若い子達はついてこないんだ。マスターも騙されただろうね〜フフフ〜ハンフリー・ボガードをやってみたかったのさ」
「今日は頑張って、いい服着て、お化粧もして来たのよ。私も満更じゃなかったでしょう?」
「惚れ直したよ」
「今日のご褒美は?」
「そうだな、か〜ちゃん、牛丼でも食べに行くか?」
街路樹の落ち葉が風に舞っていた
・ お化け
表通りはどんよりと曇り、今にも雨が落ちてきそうな空模様であった。
熊「ご隠居さん、幽霊とお化けはどこが違うんですかい」
ご隠居「美しい女性が亡くなって幽霊になり、そうでない女の有象無象がお化けだ」
熊「どちらも死んでから化けて出てくるんじゃないんですかい?」
ご隠居「いや、そうとは言えぬのじゃな、これが。幽霊は美しいぞ。ただし、見分け方があるんじゃよ」
熊「どんな風にですかい」
ご隠居「ぞくっとするんだな、幽霊の場合は。背中に電気が走る。そして顔を見ると、血の気が引いて凍りつくような青ざめた顔をしておるのじゃが、その美しさといったらこの世のものと思えぬのものじゃ〜ぞくぞくする。明日の晩も又お越しくださいと手を合わせてしまう」
熊「でも、幽霊ってこの世の者じゃないでしょう。そもそも、お化けもそうですよね、だったら、一緒じゃないんですかい?」
ご隠居「馬鹿をいいなさんな。いいかい、幽霊はこの世の者じゃない、だからこそ美しさと気品がある。絶世の美人とも言うじゃないか。美しい女人がこの世に未練を残して死んで化けて出るから幽霊になる。しかし、そこらへんのオカチメンコがそうなっても幽霊とは言わぬ。それは、お化けじゃ。で、おぞましいことに、お化けという奴はこの世とあの世の区別がつかぬ生き物、この世にもたくさんおるぞ。絶世ではない」
熊「と言う事は、美しい女人が死んだら幽霊で、そうじゃないその他大勢は化け物なんですかね?」
ご隠居「おい、熊さん、もし、あの角の呉服屋の美しい娘、お菊さんが死んだとしたら何になると思う?」
熊「さぞかし、美しい幽霊でしょうね。今でも背筋がぞくっとするくらいの器量良しで美人だ」
ご隠居「そうじゃぁな、でも、熊さん、お前のかみさん、おヨネさんならどう思う?死んだら幽霊になるかな?」」
熊「あいつは鬼ですぜ。いつも眉間に青筋立ててあっしに噛み付いてきやがる。顔ぱんぱんに膨らませた赤鬼で
すよ。あいつが死んだら赤鬼が青鬼に変わる位に違いねぇ〜です。化けもんですよ!」
いつしか、外では激しく雨が降っていた
ご隠居「そうじゃな。幽霊にはなれんな。お化けはいつ見れると思うかい?教えてやろうか・・。それは不意にやってきて脅かしやがる〜例えばだな・・」
丁度、そこへご隠居のおかみさんが帰って来た
暖簾を開き、いきなり顔を出した
「あら、熊さんお久し振り」
熊「ぎゃ〜、出た、お化け!」
おかみさんは、急に降り出した雨に打たれ、ずぶ濡れになって帰って来たのだ
髪は乱れ、おしろいは無残に落ち、泥だらけ
長い髪をくわえて、目を細めて笑う
お歯黒をした八重歯がきらりと光った
ご隠居「熊、今じゃ、よ〜く見ておけ、お化けは生きておる!」
熊さんが帰った後、
ご隠居は三和土(たたき)で、おかみさんに叩きのめされたのであった。
・・・
今回は「オチ」が今一つ二つだったかもしれません
あたたかい目でご覧になってくださいね
たいして面白くも無く、多くの女性を敵にしたような気がします。でも、幽霊候補の貴女はうらめしく思っちゃいけませんよ。お化けにならないでね。
○ コント〜おばけの新人研修
https://www.youtube.com/watch?v=tpeMI1qcetQ
・・・
「恋の代書屋」に拍手、コメント有難うございます。
今ならスマホ代打ち屋でしょうかね?味気ない気がします。
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喜美さんへ
お返事遅くなりました
申し訳ございません
隠遁生活していました〜足痛が一番の原因です
私の耳の垢など服用したら即地獄行きです(笑)
これからも少しづつ創作書いていきます。
笑いのネタになれば幸いです。
2018/12/14 20:03:59
凄い
小説読んで居た気分です
1番最後まで騙されちゃった
音楽やら小説やら才能のある人は
如何して独り占めになさるのかしら
耳の垢でも送ってください 煎じて飲みましょうか いえいえそれはいけません(歌にありますね)
2018/11/08 04:31:41
月あかりさんへ
下手な鉄砲も数撃ちゃ当る〜そんなレベルです
創作は難しいですが、色々考えますし、かといって間違ったことを書いてはいけませんから、周辺知識には気を配ります。
正しい書体を知らないと崩し字は書けません。
もっとも、漢字は草書が基本で活字、楷書は後に生まれました。
何が基本かよくわからない部分もあります。
好き勝手書いて、面白いものがその中にあればいいかなと思っています。
素人の言葉遊びです。
2018/11/07 17:21:12
漫歩さんへ
思考回路はいたって単純です。
そんなに小説も読んでいません。
むしろ、宇宙の成り立ちとか生き物の世界とか科学系のものや歴史、山歩き、紀行などに興味があって雑多によく読んでいたと思います。
お笑いは物心ついた時から好きですから、いまだに抜け出せません。ギャグ、ナンセンス、風刺は好きです。
2018/11/07 17:15:03
プロフェッショナル
いつか言った事がありますが
ぼてふりさんのお笑いは「プロ」で通用します。
勿論プロですから1〜10番、順位は有りますが
脚本でプロにチャレンジしたらいいのに!
あたらもったいないといつも思っています。
2018/11/07 12:33:40
みさきさんへ
今、非公開で「陰と陽の世界」書いていますが
中々うまく話がまとまりません。
ドーナツの王国にインスピレーション頂きました。
未発表になるかもしれません。
私など死んだら、あの世で針の山登山や血の池で泳いでると思いますから、この世に現れる時間、暇はないと思います。
2018/11/07 04:49:06
構成
謎の第一話が、第二話でホコッとクスッとちょっと遠のいた所で、第三話を読んでいると、脳裏をチラチラ。見事な三重奏ですね。
若かった頃は、死んだら飴買い幽霊になろうって、思っていました。
2018/11/07 01:45:20
アダージョさんへ
そんなに誉め殺ししないでください
恥ずかしいです
早朝に一度アップしたけど納得いかなくて引っ込め
再投稿して、この出来です。
書きかけの話は非公開で保存しています。
しばらく、寝かせた方がいいようです。
この3題も投稿してから何度も細部を書き換えています。一発勝負は難しいです。
2018/11/06 21:26:40
シルクレッドさんへ
幽霊は見た事は一度もありません
でも、お化けはたくさん見てきました
その詳細は語れません〜秘密厳守
多くの女性に嫌われたくないです・・
おばけのキュウどころか10,11,12・・・
2018/11/06 21:22:22
夢から現実へ
ぼてふりさん
案が出ない出ないと云われながら いい気分で読んでるのに 最後にストンと落とされる。
話の展開玄人裸足ですね!
これは真似をしろと 云われても普通の人には 真似は出来ません。
文才と広い知識とセンスが必用です。
2018/11/06 20:47:40
噺家
ぼてふりさん こんばんは・・・
ぼてふりさん「噺家」になれますよ〜
ずっと前「お化けのQ太郎」っていましたよね
お化けは人だけではないから可愛いですよ
怖いのは「うらめしや〜〜〜」と出てくる幽霊です
幽霊は女性専門なんですかね
2018/11/06 20:12:48