詩(short poems)

句には宛先がある 

2018年10月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

俳句ってナニって考えていて「増俳」で次の句に出合った。詠み手を調べると昭和14年生れの詩人 兼 翻訳家とある。普段は気にならない評者に眼をやると清水哲男氏でなく八木忠栄となっている。八木は「ジャズと中上哲夫とは切っても切れない仲である」と述べていて中上哲夫とは知己の仲らしい。

・肩先でジャズ高鳴るや夏の渓    中上哲夫
・鯉の口ゆつくり動く残暑かな    中上哲夫
・猫のひげだらりと垂れて秋暑し   中上哲夫

私にとって他人の句は貶す対象でない。句は作者の生きかたを見せてくれる大事な情報であるから意味があると受け留めることにしている。この作者中上の句は誰に宛てたものかと考えた。句には宛先がある。例えば‥自分宛・特定の個人宛・特定の集団宛て・不特定の人宛て‥と云った具合にだ。

私の句はtalk中の相手に宛てて書くことが多いが、不特定多数の人宛てのことも多い。どうしてこのようなことを述べるかと云うと、句(≒言葉)は私からの情報を届ける役目を担っている。それゆえに私を知らない不特定の人へ宛てる場合の句は誰が読んでも理解できる内容でなければ駄目だと思う。

中上哲夫はジャズが大好きと分ればこそ‥夏の渓で興にのって浮れる姿が想像できる。中川はそういう男だと分ればこそ‥水中で涼し気に過ごす鯉に暑さを感じるのも分る気がする。暑さにうんざりした猫がダラシナクひげを垂れて見えるのも知己の中上ならではのことと理解してあげられる。

知己と共有する俳句空間は有っていい。座の文芸はそういう無礼講の裸の付き合いだから、詩性は無くて構わない。酒をともに呑んで騒いで楽しむ竹林の七賢を想像すれば分るように、浮世の憂さを晴らす場で七賢さえも呑めや唄えの大騒ぎ、ついでに口角泡を飛ばして説教・講釈を楽しんでいい。

そんなことを想った私。人はそれぞれ、私は詩性を重視して句を詠む。それだけのこと。



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みのりさんへ

猫守さん

俳画も私の目標の一つなんです。そもそも私は表現能力は低いほうですから死ぬまで練習・練習で終わりそうです。イメージを想いどおりに表わせたら私ももっと良いものになっているのですけどねえ。笑 (*´ω`*)

2018/10/18 00:21:32

ぼてふりさんへ

猫守さん

ぼてふりさんのような熟練の方はじっさい多いでしょうね。そのような方は何を読んでも意味のある解釈をなさいますから、どおってことないです。
同じ文章表現でも読みかたは読み手の数だけあると思っていますし、それどころか同一人であっても昨日と今日では解釈が異なりますから、ね。そう思えば誰が読んでも誤解のないように出来るだけ易しい言葉で具体的に書くのが私の今の課題なんです。今後もお気がつかれたときには教えてくださいね。(^.^)

2018/10/18 00:14:50

俳句

みのりさん

猫守さん
 俳句
私もそのイメージの
絵を描き俳句を詠み
入れています。
人によりイメージかわりますね

2018/10/17 05:32:06

宛先

ぼてふりさん

その真意、よくわかります

誰に発信するのか、誰に発信したのかによって
同じ情景、気持ちでも表現は微妙に違ってくると思います。
私がブログで書く話は読まれる方全員に対して、
コメントはその方に向けて・・と、使い分けています。
句の世界、知己の間柄と一般の人、同じ句を見ても感ずるところは異なると思います。

2018/10/16 19:39:15

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