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独りディナー
ホタテ貝のシンボル
2018年10月13日
テーマ:シニアライフ
巡礼の旅の最終日は、サンチャゴ市内のはずれにあるホテルから、最後の5キロのコースを歩いた。
殆ど市内を歩いて行く感じだった。
旧市街に入って、大聖堂に面したオブラドイロ広場が、終点である。
広大な場所のあちこちで、いくつものグループが、それぞれの達成感を味わいながら、写真撮影をしていた。
この時期、ガリシア地方は雨の日が多いらしいのだが、今年は例外的に毎日快晴が続き、気温も27〜28度位の過ごしやすい日々であった。
青空をバックに、私も記念撮影の中に入れて戴いた。
100キロ以上歩くと、証明書が戴けるそうで、様々な場所で押したスタンプが、歩いた証明になるらしい。
証明書を貰う手続きの為の、長い列が出来ていたので、添乗員さんが「ミサまでの時間が余り無いので、団体の窓口で申請しましょう」と言って、私の巡礼手帳も一緒に持っていってくれた。
団体だったからだろう、私は100キロに達しては居ないのだけれど、それなりの数のスタンプが押してあったので、皆さんと共に証明書の賞状を貰うことができた。
事前に注文した筒の中に入れて、誇らしげにそれを持って写真に納まっている人もいた。
巡礼の道は、大体が山道である。
最後の100キロは、比較的アップダウンが少ないのだが、それでも200メートル程度の標高差はあった。
一般には、登りがきついのだろうけれど、シニアになると、下りがきつい。
大半は、歩いて進むのだが、中には自転車や、オートバイとか、馬に乗っているグループもあった。
細い道だから、さすがに車は無理だろうけれど・・。
私はその日、前日に大聖堂のショップで購入した、Tシャツを着て写真を撮った。
真ん中に入って居る模様は、ホタテ貝。聖ヤコブのシンボルである。
巡礼の道を歩く人達は大抵、荷物にホタテ貝をぶら下げているのだ。
まあ、この辺はホタテの産地らしい。
レストランでホタテを頼むと、貝ガラを器にしたグラタンが出てくるのも、頷ける。
私は、ホタテの模様が入るようにして、写真を撮って貰った。
毎年暮れに、季節のご挨拶をやりとりする、海外の友人達の手紙に、この写真を入れようと思っているのだ。
いつも、主人と私の写真を入れて、一年の出来事などを連ねるファミリーレターは、私の年末の楽しみでもある。
毎年、出すのが遅れがちなのだが、昨年は主人が亡くなった事を伝える為、早めに短い手紙を出した。
今年は、「一人になったけど、元気だよ」と言う意味も込めて、ここでの写真を送ろうと思う。
大聖堂では、毎日12時から、巡礼者の為のミサが行われる。
私達は、添乗員さんの素晴らしい采配で、ボタフメイロの香炉の揺れがよく見える場所に座った。
ミサそのものは、前日の日曜日に比べると、簡素であり、オルガンも電気製の方で演奏していた。
けれど、ボタフメイロに関しては、今までの中で最も素晴らしく、揺れの大きさや、その長さは最大だった。
もしかしたら、私達の他にも寄付したグループがあったのかも、等と考えたりした位に・・。
銀メッキ製だというこの香炉は、中に入れる香料の量にも寄るらしいけれど、80キロ程度の重さに達する事もあり、殆ど90度近くまで揺れる様子は、思った以上の速度と共に、度肝を抜く。
基本的には、私もほたて貝をぶら下げて、毎日歩いていた訳だけれど、余りにもバルとミサの印象が強くて、今思い出すと、歩いたことは二の次、三の次のような気持ちである。
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