ほっこり

カマキリ(創作) 

2018年10月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:小咄



・カマキリ


俺はこの草むらを縄張りとしている。
喰うことにはなんら不自由していない。
この2本の強力な鎌で狙った獲物を確実に仕留める。

この草むらにもかつては多くのライバルがいたのだが、戦ってすべて追い払った。俺以外にオスは存在しない。

そう言えば若い奴はよく見かけるが、中高年の世代に出会うことはめったにない。長生きが難しいのだろう。

だから、父のことも知らない。
母に聞いても、「私もどこに行ったのかわからない」と、いつもとぼけるだけで話してはくれない
ま〜そんなことはどうでもいい。

そろそろ嫁をもらおうかと思う。
俺も結婚適齢期になった。

俺達の世界はメスが大きくて逞しい、従ってオスはでかくてみどり鮮やかなメスを好む。
大きいことはメスのチャームポイントだ。

おっと!
こんな話をしてるところに最近一番お気に入りのあの娘がやってきた。大きさといい肌の艶、色合いといい彼女に優る美人はいない。
この草むらのボスである俺をまさか拒むことはあるまい。

さっそく、アタックした!

もちろん彼女は受け入れてくれた。
念願の彼女と結ばれたのだ。
達成感と喜びで心が弾む。
と同時に不安な感覚がしてきた。

心の声が聴こえるんだ
「早く逃げろ!」
えっ、なぜなんだ?
訳がわからない。
ムカデやトカゲと戦った時もこんなことは一度もなかったのに・・・


「パパ、カマキリがいるよ」
「あ〜、本当だね」
「大きなカマキリが小さなカマキリを食べてるよ」
「メスがオスを食べてるんだよ。逃げそこなったのさ」


草の葉に朝露が輝いていた


・・・

チェリッシュ〜てんとう虫のサンバ
https://www.youtube.com/watch?v=eRvYq5OTf30
明るい歌にしました〜ステージ影像(紅白歌合戦)

・・・

「オーラルフレイル」に拍手、コメント頂きありがとうございます。いつも感謝しています。



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月あかりさんへ

ぼてふりさん

私は人間道すらきわめておりません、いわんやカマキリ道をや、です。
オスは交尾の後、そそくさと逃げるそうですが、捕まって喰われちゃうんですね。
その時はいさぎよく喰われながら辞世の句でも詠んでいるのでしょうね。
夫婦仲良く草の葉に並んで
月あかりに輝くススキの穂でも見て
秋の夜空を味わいたいものです

2018/10/11 16:46:42

漫歩さんへ

ぼてふりさん

メスがオスを食べる〜自分に置き換えるとやはり、恐いです。何かしらおどろおどろした感覚になるのです。
人間界では以前、独身男性(中高年)ばかり殺害して捕まったおばさんがいましたね。
カマキリの場合はそのような種保存の本能がメスにあるので意味合いがまったく異なりますが・・
昆虫家族に使った「カマキリ夫人」みたいな女性はいると思います。

2018/10/11 16:33:31

カマキリ道

月あかりさん

人間から見ればおぞましいですが
身も心も捧げてその一生を全うする
雄のカマキリは潔く立派です。

愛を貫き天にも上る心地で、
喰われるときは脳内麻薬が全身くまなく
行き渡っているので
痛みも恐れも感じないのです。

2018/10/11 10:12:50

ぼてさんの警鐘

漫歩さん

カマキリの世界はすでに一部の人間の世界にも及んでいますね。

先々は同じ生き方になるかも。

怖いですね。

2018/10/11 09:20:08

猫守さんへ

ぼてふりさん

あたしゃ無粋だから食い殺されたくない・・なんて思っちゃいます。喰われて、卵に変わって、新たに甦るという発想もできますがね
そう言えば「虫」で夫婦仲良く暮している種はいるのでしょうか?
カイコ蛾の結びつきは長時間に及ぶと、確か映画「エマニエル夫人」でそのシーンもあったように記憶しています。
近所でみかけるマガモのつがいは本当に仲良しです。これは羨ましいですな〜。

2018/10/10 20:32:13

最大の悦びなん

猫守さん

ですよ。それは牡だけの特権☆★彡
幸せのなかで一生を終えるのが男の夢ではありませんか?ぜひ、、あはは(*^_^*)

2018/10/10 16:01:57

シルクレッドさんへ

ぼてふりさん

命懸けの子作り〜恐いですねぇ〜

カマキリが捕食するシーンですが、本当に美味しそうにむしゃむしゃ食べます。
カマキリもカメレオンに捕まるシーンは情けないですが〜。
最近、動物の捕食シーンをYouTubeでよく見るのでこんな話を思いつきました。
ペリカンは鳩でも海鳥でも何でもペロリと飲み込んでしまいます。
大きなサギは小鴨、ネズミ、ヘビ口に入るものはお構いなしに飲み込みます〜情け容赦がないです。

ほっとする影像もありましたよ。
母ヒョウを失った子供をトラがわが子のように可愛がる。
親を殺したけど小さな子猿の面倒を見るヒョウ、
インパラの子供を他のライオンから守る雌ライオン

あまりにも小さな子は守るのでしょうか?不思議な光景もたくさんあります。

野生の世界は本当に厳しいです。

2018/10/10 12:38:26

アダージョさんへ

ぼてふりさん

生物の基本は「メス」ですね
卵を産む、出産する〜新しい命を宿すわけですから

人間でも寿命が長いのは女性です
カマキリの世界が人間だったら恐いですね
「知性」があるから、「結婚」考えます
よしんば結婚したとしても働き盛りの男は皆食べられてしまうから社会は女性が仕切ることになります
う〜ん、色々想像してしまいます
SFタッチで何か書けそうですね〜

2018/10/10 12:23:52

カマキリ

シルクレッドさん

ぼてふりさん

カマキリは交尾中にオスを食べちゃうんですね
食べたメスは2倍の数の卵を産むとか・・・

ではオスは命懸けなんですね(T_T)

子孫が残れば本望なのでしょうか・・・

2018/10/10 11:25:46

天国

アダージョさん

ぼてふりさん

最愛のメスに食べられる オスの気持ちはどんなものでしょう? 恍惚?
そう メスのお腹の中で数千に 分身して又愛しいメスに逢えるのですから!

2018/10/10 09:21:17

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