ほっこり

桃じゃ郎(改作) 

2018年07月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:小咄

最近、発想が貧困で特に日常面白い話もなく
しばらくお休みしていました
以前、他で発表した話を書き直したものです


○桃じゃ郎


昔むかし、ある所にじじとばばが住んでいました

お婆さんは山へ狸をしばき倒しに出かけました
しば刈りならぬ狸狩りへ

カチカチ山の故事を知っていたので先制攻撃です
狸汁の材料、今夜のおかず

一方、じじは川岸を「吉原」へと向って出かけたのです

命の洗濯に・・・

お婆さんが出かけた隙を狙っての確信犯です

「もうすぐじゃな」
お爺さんの鼓動が早くなった

そうです、吉原が間近に見えるんです
お爺さんの息は弾み、脚も自然に早くなる

一方、お婆さんは罠にかかった狸を一匹素早く仕留め 帰りの谷筋を歩いていると
川上から大きな桃が流れてきました
どんぶらこどんぶらこ・・と
お婆さんはそれを川岸に引き上げると
大ナタで真一文字に切りつけました
すると、中から血まみれの子供が出てきました
お婆さんはあわてふためいた

「過失じゃよ、悪気はなかったんじゃ」

業務上過失などの言葉が意味もなく浮かんでくる
「お婆さん、助けて〜」子が叫ぶ
お婆さんは手拭いで止血・・・
何とか助かった

お婆「もう少しで殺すところじゃった」

子「お婆さん、ありがとう助けてくれて」

お婆「よかったなぁ〜家へ連れていってあげましょう」

何とかごまかしておばあさんはその子を連れ帰った

さて、その頃、お爺さんは何をしていたかと言うと
記述ができないような遊びに夢中でした

「お婆の出かけた隙に天国、極楽じゃ〜」

花魁と寝所を共にしていたのでございます

さて、お婆さんは狸を引きずり、子を抱えあわてて帰宅したのでした

お婆「どうもないかい?」

子「お乳が飲みたいでしゅう」

お婆さん、乳をだす、ポロリ〜
剣先スルメに梅干しみたいなやつです

子「しょっぱい、塩気が多いなぁ〜」

お婆「噛み締めて味わいなさい!」

その頃、お爺さんは・・・

花魁「じじ様、あちきを存分に味わっておくんなまし〜」

お爺「極楽じゃ〜!幸せ噛み締めてるよ〜♪」

(ここまで読まれて女性は嫌悪感を抱かれたのでは?)

さて、そうこうする内に夜になりました
お爺さんは長屋、町の木戸が閉まらぬ内に帰宅

じじ「今帰った」
ばば「お帰りなさい」
じじ「なんじゃ、その子は?」
ばば「川で助けました」
じじ「その子は頭に大ケガしているな」
ばば「狸に襲われているところを助けたんです」
じじ「婆さんや、いい事をしたな」
ばば「桃が流れて来て、この子を授かったんですよ」

ばば・・かくかくしかじか・・・(うそ八百並べる)

ばば「爺様は川に洗濯に行ったんですね」
じじ「うん、川岸でいい洗濯をしたぞ」

じじ・・すっとぼける・・

ばば「どんな?何を綺麗に洗ってくれたの」
じじ「大切なものを綺麗サッパリ洗って来たってことよ、ところでその子はなんと名づけるんじゃ?」

じじ、話題の転換

ばば「どこから生まれた?それは桃じゃろう!」
ばば「だから、桃じゃ郎にしませんか」
じじ「桃尻じゃろうってか・・うん、良い名じゃな」

じじは聞き間違えた、勘違いした・・
花魁の桃尻がまだ頭に残っていたのでした

結局「桃じゃ郎」と命名

ばば「お爺さん、今夜はあたし、勝負腰巻よ!」
ばば「おいでませ〜!」
じじ「うっ!」
狸汁が喉につまる〜誤嚥した
ひっくり返ってしまった
その場でそのまま寝たふりをする

狸寝入りの爺様がいたのであった


おそまつさまでした



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みさきさんへ

ぼてふりさん

みさきさんバージョンの方が面白いな〜

狸君は早めに退治してしまいました^^
ぶんぶく茶釜などに広げようか等色々考えましたが
早々に話を切り上げました
妄想は枝分かれして話が広がっていきますね

2018/07/14 00:52:36

(/^ー^)/"""パチパチ

みさきさん

昨日、眼鏡を作りに行きました。出来るのは2週間後。そんな目でタイトル見たら、
「桃じゃが郎」…(゚゚;)エエッ。。。。珍品種。
あれれ、そういうことじゃなさそうだ…。
あれれ、お婆さん、山の狸って、もしや、若い?
あれれ、違うのね。西部じゃ「アニーよ、銃を取れ」っていうのよ。お婆さん、逞しいゎ。
あれれ、あれれ、結局、狸汁なの?
途中で、狸が赤ん坊に化けたんじゃなかったのね……。
むふふ、お爺さん、吉原だと思ったのは、葦原で、お戯れの花魁は、古狐だったなんて、死ぬまで知らないんだわ。^m^
うーん、狸がちょっと可哀想だったかなぁ…。
などと、勝手な妄想と共に、楽しませていただきました。

2018/07/14 00:22:44

月あかりさんへ〜鋭い!

ぼてふりさん

今回書き直しにあたっては
最初「桃邪郎」にしたんですが
少しおどろおどろしくて「じゃ」にしました

自分で一番気に入ってる箇所は
お婆さんが「噛み締めて・・」と言ってる時
お爺さんが他で「・・噛み締めてるよ〜」のくだりです

パロディであってもなかなか巧く思いつきません

2018/07/13 11:08:55

本領発揮

月あかりさん

これこそが、ぼてふりさんの味わいだと思います!
誰もが知っている昔話に、醤油をかけ、味噌で
味をつけなおして、違ったお話に仕立て直し。

桃太郎は、自ら桃を割って出てきたのですが
お婆さんが狸の鉈で割ってしまったので
額に怪我をしてしまいました。

長じて傷は、ジャ=邪の文字に・・・

何だか怖い展開になってきました( ;∀;)

2018/07/13 10:55:39

アダージョさんへ

ぼてふりさん

お婆さんは胸がスルメ状態になった年頃
お爺さんは潜望鏡深度で魚雷発射可能な年頃
さて、幾つでしょうか?
読み手のご自由で設定して頂ければと思います
この話の夫婦は狸と狐の化かし合いしてますね
それを見てそだった子はどうなるのか?
影響を受けるか、反面教師とするか
やはりその子の資質ですね

2018/07/13 10:22:28

漫歩さんへ

ぼてふりさん

ぼてふりさん

コレステロール云々言いますが
毎日卵を食すると体にいいそうですね
「黄身といつまでも」
恋愛と勉強に定年はないですね

いい意味で色気は持ち続けたいと思います
灰になるまでハイな気分も持続が必要かな?
歳を重ねると「歳相応に」などと硬く考えがちですが、それはそれとして柔軟な思考や表現もあった方がいいと私は考えます
先輩諸氏のお考えは色々あると思います

2018/07/13 10:14:18

昔話

アダージョさん

ぼてふりさん

昔むかし ですから お爺さんは50歳代?
それなら分かりますが 今でも80歳代に成ると
残るのは羨望だけです。(潜望鏡では有りません)
この爺,婆に育てられた 子供はどんな青年に?

2018/07/13 10:02:44

命の洗濯

漫歩さん

実年から初老の男性を対象に、− これ飲め、あれ飲め、やれ飲め!− と、サプリの販売大合戦ですが、私の年代は無視です。(苦笑)

さすがにぼてさんは目配りされています。
今日は聊か力を得ました。

2018/07/13 09:53:16

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