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敏洋’s 昭和の恋物語り
えそらごと (四)
2018年06月10日
テーマ:テーマ無し
カウンター代わりの事務棚の上に小箱が置いてあり、担当者別に伝票が仕分けされている。
それぞれに伝票を受け取り、部屋を出たとたんに岩田が「増田商店の本田さんが寂しがっていたよ」と、彼に耳打ちした。
昨日急な注文が入り彼の代わりに岩田が届けた言う。
にやついた表情でも見せれば冗談かと受け止められるのだが、能面のように無表情では本当なのかと思える。
彼はといえばふんと鼻を鳴らして無視する態度を見せているが、眉を八の字にしながらも口元が緩んでいる。
内心の嬉しさを隠し切れていない。
益田商店に着くと「まいど!」と、大声で怒鳴るように叫んだ。
間口は七、八メートルほどで奥行きがしっかりある店内で、入り口近くには誰も居ないのが常だ。
いつもは事務室でふんぞり返っている部長が、今日は陳列してある商品の確認をしていた。
彼の声に気付くといつもの仏頂面で、あごをしゃくり上げて二階へとの指示が出た。
その二階には岩田が耳打ちした、あの本田という女性がいる。
「失礼しまーす」と声をかけて、事務室横の階段を上がる。
階段途中で少し耳たぶを赤くした彼が、また「まいど!」と声を張り上げた。
二度も同じ言葉を発して何をくだらぬことをと思いつつも、いつもそうだ。
要するに、まいど以外の気の利いた言葉が出てこないのだ。
主任からは、お世辞の一つも言ってこいと言われてはいるが、どうにも思い付かない。
まいどと言う言葉すら、先輩社員の助言で覚えた言葉なのだ。
当初は蚊の泣くような声で「こんにちわ」と入った。
それはそれで初々しいと当初は好感を持たれていたけれども、ふた月も経つと、営業に「まだ慣れないみたいだな」と笑われてしまった。
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