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吾喰楽家の食卓

歌舞伎と文楽 

2017年06月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

以前から観たかった歌舞伎の演目がある。
『菅原伝授手習鑑』のことだが、中々、観る機会がない。
今回、国立劇場の『文楽若手会』で遣るのを知り、文楽ではあるが飛び付いた。
若手の公演なので、安いのも魅力だ。
古典芸能を観始めてから程なく、間口を広げ過ぎ、時間と予算の確保が大変になった。
そのため、文楽と能楽は観ないで、落語と歌舞伎に集中することにした。
久し振りの文楽になるが、今回は例外のつもりだった。

開場は午後四時半、開演は五時からである。
昼餉は、先週の『初演の会』と同じく、阿佐ヶ谷の駅前で蕎麦を食べた。
その後は、西荻mini囲碁サロンへ行った。
毎度のことながら、囲碁ではなく、席亭のパトさんと、お喋りをするのが目的だ。
囲碁、将棋、落語、歌舞伎など、話題は多岐にわたった。
三時に暇を乞うつもりだったが、獺祭を御馳走になりながら、話は弾み、三十分も長くなってしまった。
呑兵衛の意地汚さで、酒を勧められると、断れない。

国立劇場に着くと、既に開場になっていた。
それでも、入場時に渡されたプログラムのあらすじを、開演の前に読む時間は充分にあった。
先ずは、『寿柱立万歳』という、義太夫節の祝儀曲である。
二十分足らずだったが、久し振りの文楽なので、目と耳を慣らす、良い仕事をしてくれた。

『菅原伝授手習鑑』は、二幕三場で、正味二時間足らずであるが、疲れることもなく、最後まで楽しめた。
車曳の段は、何回かテレビで歌舞伎を観ていた。
この日の公演で、一番の華やかさだった。
二度目の休憩を挟み、次は寺入りの段と寺子屋の段である。
主君の為に、我が子を犠牲にするという、文楽や歌舞伎でお馴染みのテーマである。
我が子を喪った松王丸の女房を演じた、人形遣い(主遣い)が際立っていた。
後でプログラムを見ると、若手とはいえ、芸歴四半世紀を超えていたので、当然かも知れない。
文楽に限らずだが、一流になるのには、随分と時間を要するものだと、再認識した。
大詰の松王丸夫婦の演技を観て、目頭が熱くなった。
久し振りの文楽を、何処まで楽しめるか心配したが、取り越し苦労だった。

帰路の電車の中で、松王丸・吉右衛門、梅王丸・錦之助、桜丸・菊之助、松王丸女房・雀右衛門などと、歌舞伎にした場合の配役が思い浮かんだ。
歌舞伎の代わりに、文楽で我慢しようと思った『菅原伝授手習鑑』である。
ところが、その役割を果たさず、歌舞伎で観たいという思いが強くなってしまった。
そして、止めたはずの文楽鑑賞だが、これを撤回しようかと思い始めている。

   *****

写真
6月29日(木)の昼餉(大盛り)と上演時間予定表



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おとめゆりさんへ

吾喰楽さん

おはよううございます。

元々は、大阪の文楽座で公演された人形浄瑠璃を、文楽と呼んでいたそうです。
その後、文楽以外には、大きな人形浄瑠璃の組織がないので、一般名化したとか。

三時間近い公演でしたが、あっと言う間でした。
楽しめました。

2017/06/30 07:31:24

文楽って

さん

人形浄瑠璃の事なんですね。
古典芸能もいろんな種類があるのですね。
充実した毎日ですね。

2017/06/30 07:14:07

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