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吾喰楽家の食卓

平成28年度花形演芸大賞(加筆あり) 

2017年06月05日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

■大賞
 該当者なし
■金賞
 笑福亭たま(上方落語) 三遊亭萬橘(落語) 蜃気楼龍玉(落語) 柳家小せん(落語)
■銀賞
 江戸家子猫(ものまね) 坂本頼光(活動写真弁士) 神田松之丞(講談)
 宮田陽・昇(漫才) 三笑亭夢丸(落語)

大賞と金賞は、銀賞受賞歴があるレギュラー出演者から選ぶのだが、今回、大賞は該当者なしだった。
審査委員の一人は、「レベルが低いのではなく、突出した者が居ない」と、その理由を説明した。
もし、私が審査委員だったら、古典落語の正統を行く龍玉を選ぶ。
龍玉は前年度の大賞受賞者なので、連続受賞を避けるのであれば、ドタバタ落語は好みではないが、“たま”を選ぶ。
笑わせることについては、文句なしに突出していた。
もっとも、龍玉のような大賞受賞者は、出場資格が無くなるのを待たずに卒業させるか、審査対象外にするのが良いのではないかと思う。
尚、龍玉と小せんは、入門後二十年以内という出場資格を、今回で喪失した。

中入り直後(クイツキ)に、林家正蔵の司会で贈賞式が始まった。
真打昇進や襲名披露の口上も、このタイミングで行われる。
本人も云っていたが、司会者は明らかに緊張していた。
挨拶が、棒読みだった。
贈賞式は、銀賞から始まったが、松之丞を飛ばし、金賞へ移ろうとした。
周囲の指摘で、慌てて銀賞に戻った。

続いて、金賞である。
“たま”の後、正蔵は龍玉の名前を呼ぼうとし、萬橘から抗議が出た。
これは、洒落だろう。
受賞者全員へ賞状と賞金が渡った後、正蔵の問いに答える形で、各自が短いコメントを云った。
印象に残ったのは、“たま”だ。
大賞を狙っていたらしく、しきりに残念がっていた。
それに比べ、龍玉と小せんは、そつが無い。
地域性によるものなのか、単なる個人差なのか、よく分からない。

贈賞式の持ち時間は、二十分である。
理事長の挨拶が長めだったこともあり、十五分も延びてしまった。
次にゲストとして高座に上がった正蔵は、自分の持ち時間の二十分が五分になってしまった。
「今日の主役は、受賞者の皆さんです」と、落語は遣らず、『奴さん』を踊って、高座を下りた。
この後、“たま”は、マクラで、「正蔵師匠は、これからNHKがあります。五分で高座を下りたのは、私たちの為ではありません」と、楽屋話をして笑いを誘った。

受賞者は、贈賞式の前後に高座に上がり、それぞれの芸を見せてくれた。
特に印象に残ったのは、坂本頼光(らいこう)の活動写真弁士である。
初めて見たが、中々、いい。
真偽の程は定かでないが、無声映画に弁士が付くのは、日本だけだったと聞いたことがある。
その理由を、考えてみた。
日本には、元々、人形浄瑠璃があった。
太夫は、情景描写や、人形遣いの操る人形に合わせ、台詞を云う。
無声映画と弁士の関係に似ている。
その土壌があるからこそ、弁士を付けるという発想をし、人形浄瑠璃に馴染んだ日本人の観客にも、受け入れられたのではないかと思う。
的外れの感想かも知れないが、活動写真弁士には、人形浄瑠璃と似た面白さがある。
ところで、タイトルは覚えていないが、テーマは納税を啓蒙する官製の無声映画だった。
監督の徳光寿雄は、アナウンサーの徳光和夫の父上とのことだ。
珍しい物を、拝見した。

※今回のブログでは、敬称を省略させて頂きました。

   *****

写真
6月2日(金)の『花形演芸会スペシャル』の演題

※大賞受賞資格ほか、一部加筆しました。



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みのりさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

最近、落語は女性客が多いです。
それも、シニアばかりではなく、若い人が増えています。
機会があったら、是非。

2017/06/05 10:30:51

花形演芸大賞

みのりさん

落語には詳しくありませんが
”花形演芸大賞”があるんですね
落語は人気ですね

2017/06/05 10:03:47

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