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パトラッシュが駆ける!

テレビと私 

2017年04月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

テレビなんか、嫌いだ。
俗悪番組、ばっかりじゃないか。
こんなものに、うつつを抜かすと、ろくでもない人間になるぞ。
なんてことを、かつて、散々に言った。
妻に言い、子に言った。
そして今は、孫に言い聞かせている。

その私が、テレビを見ている。
私には、自分の城がある。
小さいながら、囲碁サロンを開いている。
そこにおいて、私専用のテレビを持っている。
チャンネルを争うこともなく、見たいだけ、見ている。
言行が一致していない。
そこに、エクスキューズを用意してある。
「私は、厳選し、これはという番組だけを、見ているのです」

昼と夜に、ニュースを見る。
これは仕方ない。
世間と隔絶しては、生きて行けない。
新聞も取っているけれど、速報性の点では、テレビが勝る。
テレビで情報を得、新聞でそれを、確かめることになる。

スポーツ中継では、サッカーを見る。
Jリーグを初め、高校生の大会まで見る。
国際試合ともなると、他の予定をキャンセルしてまで見る。
一方で、野球は見ない。
相撲も同じ。
夜のスポーツニュースで、結果を確かめれば、
それで十分と思っている。

日曜の午前、午後、サロンのテレビは、付けっぱなしになる。
NHKのEテレにおいて、将棋と囲碁の、テレビ棋戦があるからだ。
商売柄、ということがある。
週に一回、私は、小学校に赴き、小学生に、
囲碁将棋を教えてもいる。
それで、棋戦の内容や結果に、通じている必要がある。

ドラマはほとんど見ない。
クイズや、バラエティ番組は、全く見ない。
歌謡番組も見ない。
この辺に、私と言う人間の、偏狭な性格と言うものが、
よく表れている。

 * * *

柄にもなく……と言われそうだ。
日曜の朝、私にしては、異例の番組を見ている。
「題名のない音楽会」
オーケストラにより、クラシック音楽が、演奏される。

四月から、司会者が交代した。
これまでの、五嶋龍さんから、石丸幹二さんに替わった。
まだなんとなく、馴染めない。
石丸さんが、美男過ぎる。

昔、永六輔や、武田鉄矢が司会をやっていた時期があった。
これらの顔の方が、よほどよかった。
味があり、親しみやすかった。

夜は、NHKのEテレで、「クラシック音楽館」を見る。
晩酌をやりながら、見る。
ニュースが始まるまでの、つなぎとして見る。
クラシック音楽なら、少なくとも、心身への害にはなるまい。
さながら、番茶でも飲むように、受け止めている。

ドイツの管弦楽団であった。
マーラーの交響曲、第五番。
これがよかった。
但し、どう良かったかは、説明できない。
私には、そもそも、音楽の素養がない。

中学生の頃、音楽の授業が苦痛であった。
実技がまるで、だめだった。
音階も何も、わからない。
先生から指名され、その度に、私は赤恥を掻いた。

高校に進学し、音楽が選択科目になった。
この時ほど、嬉しかったことはない。
これでもう、音符や音階とも決別することが出来る。
心の中で、快哉を叫んだものだ。

これが不思議なのだが、音楽を知らないくせに、
交響曲などは聞く。
実技は、からきしだが、聞くのは、好きなのである。
演奏の巧拙などは、わからない。
しかし、何かを感じることは出来る。
要はこれだ。
音楽ばかりでない。
絵画などでも同じ。
この胸に響くものがあるかどうか……
私はただ、その一点だけで、対象物の価値を決めている。

 * * *

そんなに、音楽を聞きたいのなら、コンサートに行けばいい。
という理屈も成り立つ。
実際に、新聞で、コンサートの広告を見かける。
日フィルが、オペラシティで、ベートーヴェンの○番か……
東フィルが、サントリーホールで、ブラームスの◇番か……
いいなあ……行ってみたいなぁ……
と思いつつ、その日付を見る。
二ヶ月も先の話だ。
とても待ちきれない。
私は、短気者であって、そんな先の事を、予定に入れたくない。
その間に、何が起きるか、わからないではないか。

これが、一週間先の話であったら、私は飛びつくであろう。
精々譲って、二週間だ。
私は、真の音楽ファンとは、ほど遠い。
是が非でもと、言うわけではない。
誰かが、チケットを譲ってくれたら、これ幸いだ。
「急に行けなくなっちゃったの。代わりに行ってくれる?」
「あいよ」
代理を引き受けるくらいの、その程度のファンである。

 * * *

テレビで、オーケストラの演奏を聞く。
この時に、楽団員の顔が、大写しになる。
これがいい。
譜面を見、指揮棒を見ているのであろう、皆さんの目が真剣だ。
一心不乱の感がある。
これがいい。
人間が最も美しいのは、余念なく、何かに打ち込んでいる姿だ。
その姿が、私の眼前にある。
無数にある。

私の最も好きなのは、クラリネットやオーボエなど、
木管楽器の奏者のそれだ。
頬を膨らましつつ、くわえたリードに息を吹き込む。
この時に、奏者の思いをも、楽器の中に吹き込んでいる。
そんな風に、思われることがある。
しばしばある。
それが女性奏者だと、ことに嬉しい。
その顔は、実にもう、美しい。
私は、音楽そっちのけで、奏者の顔ばかり見ている。

私は、自分が、真の音楽愛好者でないことを、
よく知っている。
その上で、テレビを見ている。
クラシック音楽を聞いている。
多分に、時間つぶしの感がある。
この私に、テレビを批判する資格は、ないかも知れない。



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テレビとの付き合い方

パトラッシュさん

彩々さん、
テレビの魅力は、その速報性でしょうね。
そして、臨場感。
これは、活字が、束になっても、敵わないものです。
利器、まさに文明の利器でありまして、これを上手に利用しない手はありません。
一方で、弊害もないとは言えず、テレビ漬けになり、思考力や創造性を減退させてしまう例も、少なくないようです。
要は、主体性を持ち、上手に利用するということでしょうか。

2017/04/09 07:29:11

私の「テレビと私」

彩々さん

正直、私にとってテレビは必需品です。

特に今年に入ってからの世界を駆け巡る
社会情勢の変化、各地で起こる災害や事件から
目が話せないからです。

情報の速さは、新聞よりも早く正確かも
知れないです。
なんといってもリアルタイムで流される
映像に勝つものはないと思ってしまいます。
時には、勝手に映像に合わせたかように、
頭の中で音楽まで聞こえてくることがある
ほどです。

既に答えが出てしまっているかのような
森友問題の籠池氏の表情や安倍晋三総理の
答弁中の表情に、答えが出ているのを
見ることができますもの。

若かれしころ、同世代の赤軍派の学生たちが
浅間山荘に立てこもった時には、テレビの
前から動くことができなかったです。
あの山荘の管理人ご夫婦の名前が、私と夫の
名前と同じだったことからも、他人事とは
思えなかったです。

今も昔も特に今、ニュース番組が一番
面白いですもの。
私には必需品です。

2017/04/08 20:28:04

民放は

パトラッシュさん

藤の花さん、
良いところへ来ると、必ずCMが入ります。
腹が立ちます。
敵の思うつぼにはまるのが嫌で、チャンネルを変えてしまうこともあります。
(終わった頃に、戻したりして)

2017/04/08 13:22:39

喜美さんにはクラシックが似合います

パトラッシュさん

喜美さん、
音楽にも、造詣が深くていらっしゃるのですね。
高台の家で、廊下の戸を開け放して聞く、クラシック音楽は、それは、気分がよろしいと想像されます。
題名は、なかなか覚えて居られません。
私も同じです。
それは、認知とは、違います。
ご安心を。

2017/04/08 13:19:56

意外にも

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
クラシック音楽にも、ご興味がおありなのですね。
山形交響楽団は、アマチュアのオーケストラしては、レベルが高いと聞いております。
ご友人がその一員とは……
山形には、よくよく縁があるようですね。
かつてお聞きした、真室川の方でしょうか……

2017/04/08 13:14:06

ラフマニノフの協奏曲

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
本日が、懸案の演奏会でしたか。
ご成功を祈ります。
と言っても、シシーマニアさんなら、万に一つの遺漏もないはず、皆様の喝采を、お受けになることでしょう。
お近くでしたら、駆け付けたかった……

2017/04/08 13:10:14

CM

藤の花さん

実に下らないCMが多い。番組は見たいので消音にして別の方向を見る。

2017/04/08 10:34:45

大好きでした

喜美さん

昔は日曜日は部屋に閉じこもり静かに聞きながらのんびりしていました
その昔の大判のレコードみんな持ってきましたけれどある時捨てました
其れからもテレビでクラシックの演奏があると聞いてていましたけれど ああ懐かしい曲だと思うだけで題名も覚えていません 昨日も三田良子?が出て
私も聞き懐かしく思い出していましたけれど
朝は忘れています 仕方ない何時も新鮮な気持ちで聞きます 認知でしょうね

2017/04/08 10:34:28

オーケストラがやってきた

吾喰楽さん

おはようございます。

「題名のない音楽会」は、毎回欠かさずではありませんが、見ています。
私の数少ない、クラシック音楽との接点かも知れません。

曖昧な記憶ですが、山本直純の「オーケストラがやってきた」が前身だったと思います。
高校の同級生が、山形交響楽団の一員として出演していたので、驚いた思い出があります。

2017/04/08 10:00:01

シニアの演奏ですけれど・・。

シシーマニアさん

今日の私は、これから本番です。

大分前から騒いでいた、我が編曲のラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第二番、ピアノデュオ・バージョン。

お仲間の一人が入院して参加できなくなったり、色々とありましたが、紆余曲折の果てに今日になりました。

師匠の様な、能書きを必要としない真の愛好家の方達に、何とか楽しんで戴ける様、行って参ります。

2017/04/08 09:45:35

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