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吾喰楽家の食卓

ドタキャンすべきか否か 

2017年03月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

隼町に通い始めて、間がない頃のことである。
一昨年、国立演芸場の四月上席でトリを務めた、林家正蔵の口演に魅せられた。
タレントとしてテレビに出演する彼とは、全くの別人に思えた。
人情噺をじっくりと聴かせてくれ、以来、好きな落語家の一人になった。
もう一度観たいと思い、三日後の千穐楽のチケットを直ぐに確保した。
正蔵師の演題は、七日は『一文笛』、千穐楽は『蜆売り』だった。
何れの公演にも、後に落語会に通うようになる、鈴々舎馬桜も出演していた。
『あたま山』と『たがや』を口演した。
当然ながら、トリが正蔵師だから、林家一門が大勢出演していた。
その中に、馬桜師のほかにも一門ではない噺家が居たので、彼が口演したことに何の違和感も無かった。

昨年の四月上席も、正蔵師がトリを務め、馬桜師も出演した。
正蔵師は忠臣蔵の五段目を題材にした『中村仲蔵』、馬桜師は前年も聴いた『あたま山』だった。
正蔵師が二年続けて同じ時期にトリを務めることに、このときは疑問に思わなかった。
ところが、今年も正蔵師なので、四月上席が彼に割り当てられていることに気が付いた。
今年は、林家一門でない噺家は、馬桜師だけである。
馬桜師は、「正蔵師が私を推薦してくれたのでしょう」と、自身が管理する掲示板で、私のコメントに答えてくれた。

当初、私は国立演芸場だけで落語を楽しんでいた。
一昨年の暮れから、三遊亭鳳楽が口演する、銀座風流寄席へ通い始めた。
昨年からは、馬桜師が座長を務める、初演の会へも行くようになった。
初演の会は、正蔵師の弟子である、林家はな平も同人である。
その縁で、正蔵師がトリを務める中席に、馬桜師を推薦したのかと思っていた。
ところが、偶然なことで、馬桜師は正蔵師に『淀五郎』の稽古をつけていたことを知った。
『淀五郎』は、忠臣蔵の四段目を題材にした噺である。
落語界では、師弟関係がなくても、落語を教えることが日常的にあるのだ。
勿論、所属する団体が同じであることが、前提だとは思う。
だから、馬桜師が中トリを務めるのは、不思議なことではないのかも知れない。
今回、正蔵師は『百年目』に挑戦するそうだ。
もしかしたら、それも馬桜師が指導したのかも知れない。

前置きが、長くなった。
すでに、四月六日(木)のチケットを、発売開始日にインターネットで確保してある。
一週間くらいして、チケットの売行きを調べたら、芳しくない。
応援する意味もあるが、四日(火)の良い席が空いていたので、シルバー料金で電話予約した。
はな平さんも、兄弟弟子の二ツ目と共に、名を連ねている。
五人が交替で出演するので、上席へ二回行けば、五分の二の確率で、彼の晴れ姿を見られるのだ。
ところが、その数日後に、二ツ目の出演日程が発表になった。
残念ながら、外れだった。
はな平さんが出演するのは、五日(水)と十日(月)だ。
そこで、良い席が空いていた、十日の千穐楽を予約した。
四日は、キャンセルすれば良いと思った。

国立演芸場へは、開演の二時間前頃に行くことが多い。
パソコンで購入した分の発券や、シルバー料金で電話予約したチケットを購入したりする。
勿論、事前に昼餉を食べることも、早く行く理由だ。
昨日の三月中席も十一時頃に着いた。
窓口で運転免許証を見せ、四月上席千穐楽のチケットを購入した。
次に、四日のキャンセルを申し出た。
ところが、「出来ない」と、云われた。
「以前は出来た」と云っても、駄目だった。
電話予約は、開演の三十分前までにチケットを買わないと、自動的にキャンセルされる。
そのことを話しても、駄目だった。
明らかに、システムが変わったようだが、明確な説明はなかった。
暗に「ドタキャン(土壇場のキャンセル)しても構わない」という、意味の言葉が返って来た。
結局、四日のチケットは買わずに、窓口を離れた。

昨日は、群馬からの団体客が居たことで、予想外に客の入りが良かった。
この場では詳細を省くが、大いに楽しめた。
ところが、私の左隣は、最後まで空席のままだった。
来月の四日、私がドタキャンしたら、同じことになる恐れがある。
最前列中央が空いていたら、噺家さんは良い気持がしないのではないかと思う。
それにしても、事前キャンセルは駄目だが、ドタキャンはOKというのは解せない。
一度は、ドタキャンを考えたが、今、行くべきか迷っている。

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写真
3月17日(金)の昼餉(きつね蕎麦)と演題(中席)



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