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吾喰楽家の食卓

2017年01月22日ナビトモブログ記事
テーマ：生活

阿佐ヶ谷駅の北口に、蕎麦屋が開店した。
偶々、開店の当日、店の前を通ったら行列が出来ていた。
「十割蕎麦」と、立看板に書いてあった。
商品サンプルの盛り蕎麦には、290円の表示があった。
立ち食い蕎麦屋並みの値段だか、店の造作は違うように思えた。
食べてみたかったが、並ぶのは嫌なので、日を改めることにした。

機会は直ぐに来た。
昨日は、『銀座風流寄席』だったから、少し早く家を出て、阿佐ヶ谷と西荻窪に寄り道することにした。
この日の宿泊場所の生家と、西荻mini囲碁サロンである。
池袋で昼飯の時間になったが、我慢して阿佐ヶ谷へ向かった。

開店の日は見落としたが、店の前に食券の自動販売機があった。
あじ御飯セットを選んだ。
盛り蕎麦か掛け蕎麦の、好きな方を頼める。
税抜きで、ワンコインとは安い。
セルフサービスではあるが、全て椅子席だ。
二十席足らずの店は、半分ほどが埋まっていた。

太くて白っぽい蕎麦だから、写真だと饂飩のように見える。
しっかりとした歯応えは、山形の蕎麦に似ている。
麺汁も悪くない。
あじ御飯も美味しい。
欲を云えば、生姜を加えると、魚臭さを消してくれて、もっと良くなるはずだ。
もっとも、値段を考えると、文句は云えない。

店を出た途端、数歳年上と思われる見知らぬ御婦人から、「美味しかったですか？」と、声を掛けられた。
初めての経験である。
色々な考えが、頭をよぎった。
「値段の割には、美味しかったですよ」と、答えた。
今、考えると、もう少し詳しく説明してあげれば良かった。
「パスタのように、機械で製麺した蕎麦です。太くて噛み応えがあるから、硬いのが苦手なら、掛け蕎麦が良いかも知れません」と。