ウイールマン

ワイメア渓谷 完走 

2016年09月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

ワイメア渓谷を完走するには、
行き当たりばったりでは到底無理。

そのことは痛いように知らされた。
心にジーンと響く敗北感!

まず前輪のブレーキの件だが、交換できるホイルは持ってこなかったし、現地では調達できない。

このホイルなら、ブレーキパッドを新しいものに変えても、また同じことが起きるだろう。

前輪のブレーキを使わず、後輪のブレーキのみでも走れる。
幸いにもホイルの一部の損傷で、ホイル自体は曲がってはいない。

ほとんどが上りと、多少の下り坂ならこれで行ける。

ルートもよく研究した。

ポイプーから出発して30キロの渓谷を登り切り、
またポイプーまで帰る100キロを完走してるのは、
ルートを精通している20,30代の地元若手のバリバリのレーサー達のみ。

それ以外は皆、坂の入り口から走り始めている。

自分の体力に合った方法は、やはり渓谷のいる口まで車で行き、そこから30キロを登る。

上り30キロ、下り30キロ トータル60キロ。 

30キロの下りは問題ないのだが、前輪のブレーキが利かない。

前輪のブレーキなしで30キロの下りは到底無理だ。

今回は登るだけで、頂上からは車で降りるしか方法はないだろう。

又水の補給の問題がある。

ここの天候で1700メーを30キロかけて登るには、3-4リッターの水が必要だろう。

バイクに取り付けられるボトルは2個で1.5リッター。

よって途中で2,3回の水の補給をしなくてはいけない。

サポートなしでの単独では完走はとてもできない。

サポートをお願いと我横ナビに申し出る。

何時もなら

”いつも好き勝手な事ばかりしてるのだから、私はかかわりたくない“
と冷たく無視されるのだが、この時ばかりは  “OK“

体力回復に2日かけ、まだ気温も上がっていない朝早く出かける。

渓谷の入り口に着く。

あの懐かしい渓谷だ。また来たねと笑っているようだ。

しかし暑い。海からの熱風がふき始めている。

走り出す前、脱水状態にならないよう、ストレッチをしながら出来るだけをの水分を飲む。

ストレッチをしただけで、汗が出始める。

思った以上の暑さだ!

上りだす最初の13.5キロが難関。 

特に最初の7キロ地点まで、気が遠くなるような急坂が続く。

前回は最初の7キロで全体力を消耗してしまった。

此処を無事クリアーできれば、後は何とかなる。

ここでこの暑さの中、体力の消耗をいかに少なくするかが、完走できるかの勝負所。

ゆっくりペースを落として走る。

ギアも最初から無理をしないで軽いギアに。

しかし熱いし坂は急だ。汗が体中から吹き出す。

5キロが過ぎた、あと2キロで難所がクリアーできるが。

ハンドルを持つ両手が震えだす。

急坂で上半身に力が入りすぎだ。もう少しリラックスしなければ。

スピードがだんだん落ちはじめる。

息が荒くなり、申脈数も170を超え始める。

しかしこれ以上スローダウンすることはできない。

スピードを緩めれば、バイクはバランスをなくし倒れこむ。

後はただ“頑張れ頑張れ”と自分を叱咤。

”このくそ坂め。ペダルを踏むのをやめないぞ。絶対
クリアーして見せる“

汗と熱でサングラスが曇り、前が見にくくなってくるが視界はまだある。

7キロ過ぎた地点に、前回疲れ切って休んだ大きな木があるはずだ。

バイクのコンピューターを見ると、もう7キロ地点だ。
そしてあの木が見えてきた。

タイムを見ると2日前にはここまで来るのに43分かかったのに、 今日は9分も早い34分で通過だし、まだ体力は充分のこっている。。

ペース配分がうまくいってるのか、、、

ここでだんだん坂も緩やかになって来る。

そして無事13.5キロの分岐点に到着。

ここでサポートカーが待っていて、水の補給の為の小休止。
ただしその間も時間のカウントは止まらない。

急いで空になったボトルを、新しいボトルと交換。

用意した氷水を頭からぶっかけ、またバイクに乗り走り始める。

最初の難関13.5キロは何とかクリアーしたが、まだまだゴールまでは遠い。

これまで1700メータの高度を1200メータ上った。
この後16.5キロで500メータ登らなくちゃいけない。

これからは一回も通ったことのない道。

いくら地図を見たって、道は実際に走ってみないとわからない。

慎重に走る。

暫く平坦な道が続くが、すぐまた坂が現れる。

20キロが過ぎると、また坂の連続だ。

しかしあのような急で長い坂ではない。

気温も高度が増したせいか、だいぶ涼しくなってきている。

周りの景色もだんだん変わり、山の中の様子。

道は一本。

25キロを過ぎ他あたりで、公園のようなものが見えた。
もしかするとここがゴール?

走った事のない道なので、何処がゴールかわからない。
ただゴール地点ははこの道の行き止まりと聞いていた。

公園をよく見ると横にゲートみたいなものがあった。
その先にまだ車一台くらい通れる小道が続く。

ここはいき止まりじゃない。ゴールはまだ先だ。
気持ちを入れ替え走り出す。

しかしこの道は危ない。  大きな穴だらけ。
あんな穴に入ったら、たちまちバランスをなくし転倒してしまう。

慎重に下り坂を走ると、急に壁のような急坂。

この急坂を登りきるには、スピードが遅すぎた。

慌ててサドルから立ち上がり、スピードアップして何とかクリアーする。

しかしこんな小道でも、観光客の車がチラホラ。

道が狭く交差するときは危険だ。

相手の車にぶつからないよう慎重に走るが、いつまでたってもゴールは見えない。

もう30キロは過ぎたはずなのに。

だんだん不安になって来る。

まさか道は間違えてはいんないだろう、、、、でも体力はまだ残っている。

ゴールはまだかと走り続ける。

また急に左側に曲がる壁のような急坂が現れる。

バイクのサドルから立ち上がり、一気に登り始める。

こんな急坂は初めてだ。しかしゴールはもうすぐ。

今はただ残り少くなった力をふりしぼり、
何も考えず無我夢中でペダルを踏む、、、、、


一メーター、二メーター、、、三メーター


そして急に目の前がひらけた。小さい広場がある。


そしてワイメア渓谷の道はここで終わってた。



2日前には敗北感に打ちひしがれ、もう走るのを止めようかと思っていた。

今完走できた。


走行距離
   30.08キロ
走行タイム。
 2時間11分24秒


昨年ジェラルドという名前のライダーが記録した
65歳以上のベストタイム 2時間29分00秒を破り、新記録も達成できた。

そして65歳以上でワイメア渓谷を完走した史上4人目のライダーとなれた。

バイクを乗り始めてはや7年。

目指したカリフォルニアチャンピオンも、だんだん遠くになっていき、いくらトレーニングしても、ただスピードは落ちるばかり。

もうここらで限界かなーと思っていた。

でもこの渓谷で新記録を出せたことから、勇気がもらえた。

まだもう少し走り続けられそうだ。



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Reiさん

ウイールマンさん

有難うございます。

最近、坂を見ると登りりたくなっちゃうんです。

そんな誘惑に弱くて、気が弱いので誘われると断れない。

意外とシャイなんですよ。

これからも誘惑にめげずに頑張ります。

2016/09/22 09:26:17

おめでとうございます!

Reiさん

完走、おめでとうございます。
それも新記録で!!
素晴らしいチャレンジでしたね。

いつも何かにチャレンジするときは、「見たことのない景色」を見られることにワクワクするのですが、ウイ―ルマンさんのチャレンジは、まさにそれですね。

これからもまだまだ続くのでしょうか・・・応援しています(^^)

2016/09/22 08:43:07

沙希さん

ウイールマンさん

有難うございます。

アー疲れた,、、、、もうヘトヘト、、、、

しかし色々いい経験をしました。やはりすべて慎重にプランを立てなければいけませんね。

最初の日にあの坂を見たら、後先の事考えず、誘われるように上り始めちゃった。

相変わらず、誘惑には弱いのです。自制心なく、最初の日は負けちゃいました。

2016/09/22 08:16:36

吾喰楽さん

ウイールマンさん

有難うございます。

まあ何とか皆さんの御協力で、やっと完走出来ました。

次回はまだ65歳以上のライダーで、誰も完走したことのないフロントサイドをめざします。

ご質問の件

現在"ストラバ" というシステムが全世界にあるのです。

これは,バイクについているマイクロコンピューターや、通常のスマホから、GPSシステムで、ストラバに誰が何処をどのように走ったかが、全て記録されます。

バイカーはそのストラバの会員になると、今までのすべてのライダーの記録が検索できます。

勿論メンバーになるときは、身長や体重や生年月日などを登録します。

それによって年齢別に記録が残るのです。

またバイクに乗るとき、バイク用のコンピュータは必至パーツなのです。

これがないと、車を速度計やGPSなしで走るのと同じ。

今時のバイカーはすべて、コンピューター付きのバイクに乗ってるし、ストラバのメンバーです。

2016/09/22 08:06:51

おめでとうございます!

さん

読んでいて、一緒に走っているような気持ちになりました。
ゴールはまだ?
また坂?
頑張れ!大丈夫?
あ〜疲れた〜(笑)

苦しかった分、達成感は半端ではないでしょう!
本当によかった!
輝く笑顔が目に浮かびます。
おめでとう!
感激してウルッと来ましたよ。(笑)

2016/09/22 07:31:56

完走おめでとう!

吾喰楽さん

やりましたね。
お疲れ様でした。
奥さんの協力があってこそですね。
感謝しないといけませんよ。

ところで、4人目のライダーになれたことと、走行時間の新記録は、どのように登録されるのですか?

2016/09/22 07:19:08

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