ウイールマン

チャレンジ敗北 

2016年09月21日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

コップ一杯の美味しい水を飲み体を休める。

まずフロントサイドの道を降りて、下の村まで行こうと走り出す。

こちらの坂はまた一段ときつい。
何か高層ビルから飛び降りるような感じだ。

こんな坂をブレーキなしで走ったら、時速80キロ以上なんかすぐ出てしまう。
それも直線ならいざ知らず、回りくねった道路。

回り切れずに、道路から跳ね飛ばされたら、大事故になる。

慎重にブレーキをかけ、ゆっくり走り始める。

しかしここの坂はアップンダウンが厳しい。
坂を少し下ると、なんとその次はきつい上り坂。

このきつい上り坂を楽に上るためには、下り坂の途中でブレーキを全開する。

そしてスピードを出し、その勢いでいっきに登る。
体力が落ちている時、このような坂を上るのはこの方法。

坂の途中でブレーキ全開。 
50キロくらいのスピードで上りはじめ、なんとか坂をクリアー。

これはらくちん。

急坂でもあまりペダルを踏まなくても上れる。

海が見えてきた。
ここから先2キロ程は、ずーっと下り坂。

慎重にブレーキをかけ坂を下り始める。
最後のカーブが来た。

ブレーキをまたかけなおす、、、、その時大変なことが起きた。

なぜか前輪のブレーキの利きが急に悪くなり始める。

見るとブレーキパッドが焼けたようになってる。
そして前輪を見ると、ブレーキパッドが当たる部分がへこんでる。

一瞬何が起きたのかわからなかった。

それほどの急坂ではないので、バイクを止める。

今まで坂でブレーキをかけすぎた。

余りの摩擦熱で、カーボンホイルを損傷してしまった。

そしてこのホイルは、昔使っていた練習用のセコンドブランド。

バイクをスーツケースにパックして、飛行機にチェックインするので、一番いいホイルがダメージしてはと思い、
このホイルをもってきたのだが。

バイクのパーツの精度は、その値段に比例する。

安いカーボンホイルは、やはりそれだけのものだ。

ブレーキのかけすぎで、カーボンが損傷してしまうとは、、、、

幸いにも坂も終わり頃だし、このホイルでもゆっくり走ることはできる。

慎重に後輪のブレーキだけを使い、坂を下り村に入る。

道路沿いの店に入り、水とフルーツを買ってこれで一安心。

水分や食べ物も充分補給でき、帰路につく。

暫くの間はスムーズに走れた。

このような道路を走るときは,後輪のブレーキだけで充分。

それよりも体力の消耗が思った以上激しい。

そして気が付いたことは、、、、大変な勘違いをしていたのだ。

何と強い風がふいてる。

ここに来る時は、何故かとてもよく足が回り今日は絶好調だと思ってた。

また新しいクランクにしたらこうも違うのかと、、、

しかしこんな強い送り風なら、ペダルを少し踏んだだけで走れる。
それを調子がよく走れると勘違い。

いつも走るところなら、風の吹く方向はすぐわかるが、
悲しいながらこの道を走るのは初めて。

風向きの事など頭になかった。

来るときは強い送り風の乗って颯爽と来たが、
今度は何と向かい風に向かって必死に走らなければいけない。

それも体力はかなり消耗し、フロントホイルもブレーキも破損している。

しかも今は単独走行。

風がまともに当たり、引っ張ってくれる者もいない。

ここからポイプーまで、まだ20キロ。
必死になって向かい風の中を走る。

平たんな処なら、何とか走れるが、このハイウエイもやはりアップンダウンが多い。

体力の消耗が激しい今、こんな風の中での坂は厳しい。


三分の一の距離パカラの村を通り過ぎる。

ここからだらだらとした1キロばかりの坂があった。

今朝は元気にハワイの歌など口ずさみながら反対方向を走った坂だが。

坂がもう少しで上り切れるところで、息も絶え絶え、ペダルが踏みこめない。

バイクを降りて休むしかない。

少し休んでまた走り出す。

カウマカイを過ぎれば、もう少しでハナペペの街になる。ここまでで三分の二まで来た。

ハナペペの街を通り過ごすと、すぐにまた長い坂。
体力も限界に来てるが、、、

坂を上り始める。 半分くらいのところでまた休む。

休んだ後走り出そうとするが、右足の痙攣が始まる。

こんはずじゃなかった。

頭はもうろうとしてくるし、ペダルを踏めないし倒れそうになる。

休んだ後バイクをおして歩き始める。
こんな事は初めてだ。

バイクを始めた頃、チームでLAで一番高いバルデイーという山にのぼったことがある。

その時坂があまりにも嶮しくて、バイクを押して歩いてるバイカーを見た時、
なさけ無い奴だと思ったことがあった。

まさか自分が今そうなるとは夢にも思ってはいなかった。

惨めな気持ちで10メータ歩いては休み、また歩き始める。

暫くすると下り坂。又バイクに乗り走り出す。

平たんな道ならば、何とか走れる。

ポイプーまでもう少しだ。

次に右折する道が、ポイプーに行くはずだとそればかりを探す。

道が見えた。

これでポイプーまで帰れる。


走り出す。
一キロばかりの下り坂、そして海に出る行き止まりの道。  

道を間違えた。 万事休す。

気力も体力も限界!

行き止まりの所で少し休んだが、バイクにのりペダルを踏む気力も喪失。

足の痙攣がまた起き続ける。

走り続けることはもう無理だ。

スマホで息子に電話する。

”車で迎えに来てくれるか、、、“ 

久しぶりに味あう、何とも言いようのない敗北感。

海を見ながら道路わきに座り込む自分がいた。

うなだれて
 ”もう二度とバイクにはのりたくない。坂など見たくもない“ と思った。


車に揺られ、ポイプーに帰る道がとても長く感じる。



家についてこわれたれたバイクをおろした時には、、、
“どうしたらワイメア渓谷を完走できるのか”と考え始める。

“ここで引き下がる事は到底出来ない。諦めたらこの先一生後悔は残る。次回は絶対に完走する“



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

吾喰楽さん

ウイールマンさん

そんことないですよ。 ただ今回は少し無謀でした。

まあコースが良くわかっていれば、こんな無茶しなかったんですが。

ただテストライドに出かけたんですが、例の調子でこんな事になってしまい。

しかし相変わらず誘惑には弱い。

あの渓谷見たら、もう自分の気持ちが抑えられず、
”のぼっちゃえ”で、登り始めてとんでもない事に、、、

いい教訓でした。

2016/09/21 10:06:32

根性

吾喰楽さん

想像を絶します。
今回の場合、伴走車が必要だったのでは?

数年前に、富士山を登ったのにも驚きましたが、それどころでは無かったようですね。
ウイールマンさんのロードバイクに対する根性には、脱帽です。
でも、あんまり無理はなさらないように。

2016/09/21 09:32:36

沙希さん

ウイールマンさん

これはロードバイクなので、公道を走ります。

勿論車に乗ってリサーチはできますが、やはり道路状態や舗装状態は走ってみないとわかりません。

バイクのタイヤは細いので(23?-25?)舗装状態が悪いと、ホイルをまわすのに必要以上の体力を消耗しちゃうんです。

一回は無理してでも走ってみないと分りません。

ただ今回は、あまりにも無計画だったというのか。
それで失敗しましたが、こうご期待。

頑張りましたよ。

2016/09/21 08:41:43

読んでいるこちらも

さん

青息吐息になりました。
走り出した時に思ったのです。
山の麓まででも、往復40km、+山道は無茶だ!と・・・

事前に車で、入念なリサーチが必要ですね。
山は、車の道はないのでしょうか?

当地では、山道や川を走る自然人レースがありますが、長いコースを走る兵は、何度も下見、練習をしているようです。(バイクではありません)

2016/09/21 07:51:23

PR





上部へ