ウイールマン

シーズン オープンレース 

2021年03月15日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

あれから1年。

2020年のちょうど今頃、アメリカが、コロナのパンデミックに
より、全ての都市を封鎖。

全ての時間が止まってしまった。

生活必需品販売店以外の店は、全てクローズ。普段なら車が行き来する都会でも、ほとんど車など走ってはいない。

そして街自体がシーンと静まり返っていた。あっちこっちに都市封鎖のバリケード。

勿論全てのスポーツイベントは中止。

レースチームから通達で、チームとしてのレースも中止。またチーム練習も中止となる。

一人で黙々と、誰もいない静まり返った街や丘を、ただ走り続ける。

たまにチームメイトに会っても、遠くから声をかけ、いつもの様に一緒には走れない。

外出禁止令が出れば、一人車庫の中でトレーナーに乗ってトレーニング。

だんだん走る事の情熱がなくなって来た。

一人で走っても全く面白くない。

皆で競争したり、叱咤激励したりして走るのは、勝っても負けても楽しい。

これ以上ペダルを踏めない限界に来た時の、あの充実感。

レースの後バイクから降り、動けなくなり地面にひっくり返る。

そしてただ荒い息をつく、、、、、心臓が破裂しそうだ。
ベストを尽くし、走りぬいたた達成感。

しかしそれも出来ず1年が過ぎた。

あれは一体何だったのかと思い始める。
年を取り、昔のように走れなくなって来ている。

何故、そんな苦しい思いまでして走るのか。
そろそろレースなど止めて、ただ楽しくノンビリ走ればと。

去年の暮れごろから、一部でワクチン接種が始まり、
今は一斉にワクチン接種が始まって来た。

スポーツイベントも再開し始める。

メールで、チームレースを再開するとのアナウンスメント。

全く興味がなかった。

いい加減な年だし、もうあんな苦しくて馬鹿な事は止めようと。

この年で、今だバイクレースなどしてるのは、ほんの数人だ。
それもほとんどが 旧カリフォルニア チャンプオンのレーサばかり。

シーズン、オープニングレースの日が迫って来た。

レースのトレーニングもしていないし、ましてや年齢別のレースではない、オープンレース。

一周1.25キロのコースを12周。一人で15キロを全速で走り、そのタイムを競うレース。
持続力と体力の勝負。

レースの日がちかずいて来るが、まだ決心がつかない。

ただレース用のバイクを、ボーっと眺めている日が続く。

そしてレース前日。
レース仲間に、急に会いたくなった。
昔、一緒にレースをしたときの事を、とても懐かしく思った。

よく走れなくてもいい。ただ皆と一緒に走ってみたくなった。

朝4時半に目覚める。 外はまだ暗いが、レースに行く準備を始める。

明け方の街を、昔の様にレース場に車を走らせる。

レース場につき、一人で黙々と準備。

レースが始まる。

しかしきつい、、、足がよく回らない。
10キロ過ぎたあたりから、目の前がかすんで見え始める。

ただ前を見て、全力でいつもの様に走るだけ。

レースが終わった。あまりいい結果ではない。

しかし、ベストを尽くした後の、いつもの達成感と充実感はあった。
 
暫らくすると、メールが。

チームメイトの、カリフォルニアチャンピオン、ブルースからだ。

彼は、ある日奥さんと一緒にトレーニングしていた時に、
奥さんが車にはねられ、瀕死の重傷を負った。それ以来レースからは身を引いた。

ブルースからメールで、、、今だこの年でレースをしてるのは数人だ。

そして「頑張れ、負けるな」と、激励が入った。



明日から、本格的なトレーニングを開始する。
次のレースは2週間後に控えてる。


競争相手は、誰でもない自分だ。



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