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流老記

男ひとり 

2016年04月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

朝から晴れ、で
歩くと汗ばむほど。

いつものコースで
いつものコーヒーショップで
4日振りにカメラマンと雑談。

Nがひと月ほど前に死んだらしい…と
煙草の煙を挟んで聞く。

40年も前、
一緒の制作会社で親しかった仲間だ。

同い年で
今なら典型的なブラック企業と呼ばれる所で
一年間共に苦労したっけ。

土曜が日曜へ日付が変わる頃、
仕事終わりそのままで、
二人して車を飛ばし
朝の京都に行ったことが何度かある。

デュークエイセスの「女ひとり」を
車のカセットで流しながら、
恋に疲れた女なら、
何とかなるんでないかい?なんて
顔を見合せながら
不純にうなずき合ったから…
あの頃から馬鹿だったんだねえ。

”結城に塩瀬の素描きの帯”の
恋に疲れた女を捜して大原三千院へ…
いるわけないよなあ。

”大島紬につづれ帯”の
女を捜して栂尾高山寺へ…
俺たちこのままでいいのかなあ、なんて
ため息ついたなあ。

”塩沢絣に名古屋帯”の
女を捜して嵐山大覚寺へ…
仕事に疲れ、人生に疲れて
京都へ来ているのは俺たちだなあ、なんて
加茂川の河原で座りこんでたっけ。


日曜の夜に東京に着き、
じゃあ明日また、なんて
ホントに疲れ切っていたけれど
少しはストレスを発散できてたのかも。

二人して会社を辞めたあと
それぞれ違う所へ行ったが
20年ほど前までは
麻雀を一緒にやったりの
付き合いがあったんだけれど。

それにしても
この業界は早死にが多いわい。

典型的な観光地となった京都には
もはや行く気にもなれないなし、
恋に疲れた女と
人生に疲れたオッサンが出会ってもなあ…



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阿Qさん

根無草さん

昔の映画には
味があったような…

阿Qさんには
桃栗三年、のタイトルが似合いそうです。

2016/04/26 20:27:16

自主製作の勧め

阿Qさん

「恋に疲れた女」と「うらぶれたオッサン」、
まさしく昔の映画の構図です。
カメラマンも居るし、文章上手も居ます。

2016/04/26 08:02:49

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